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一般化した河津桜
 例によって掛け持ちコースの選定で調べていたものですが、全国に広まった河津桜の植樹は地元民が数年から十年単位で進めてる所もあり、知られず現在進行形で枝木にしか見えず話題になってない所もありそう。それは住民の取り組みですが、無から何も考えられない地方議員が近年に河津町と同じよう桜並木な観光資源を作ろうと案を出しているのも見つかる。ローマは一日にしてならずで時間のかかる取り組みであるが、今から真似事じゃ遅すぎる。

 河津桜と似た交配種であるアタミザクラを売らないのか?を話題にしてた熱海市議の書き込みに即座に噛み付いた私であるが、こうした全国的な河津桜の状況を知っても真似して売ろうとでも思っているのだろうか。名前は売れるが客は来ないって私の読み通りの展開になってるのに。年代を考慮すると河津町は巨大な観光資源になると思ってない時期に目先の収益で河津桜の苗木をバラ撒いてしまった...

 地方ほど誰か個人だけは儲けるが街はつぶすって商売を考えるのが得意だ。それでも河津町は御本家であり、河津桜としてトップクラスの本数・景色を示しているため、たとえ現在の半数に落ち込んでも地方がうらやむ相当数の来客数となる。


 危ないと思うのは今の河津桜は染井吉野へと向かっていること。増大して一般化してきてるため、発祥の地とか地域とか関係なくなる日も来るであろう。そう、染井吉野の発祥なんて誰も気にしないようにだ。伊勢海老の出荷量の第一位が千葉県であるように。

 現に河津桜の桜並木は本数で本家を超えられてしまってる。数日間、私が調べた場所でも河津町より広大な場所ばかりで、桜の木と所有者(県や国)さえ許せば1000、2000本の並木を作ることができる。ただし、舗装道路に住宅地で環境として味も素っ気もない場所もある。

 発祥の地としてわざわざ見に行く客よりも、近くで見えるから行く必要がなくなったと思う数のほうが多い。河津町のデータを見ると、河津桜を宣伝した時期から客数は激増したが、そのピーク後は年々下がっている。年度を考えると、リーマンショックなんぞ関係ない前から減っている。

 宿泊者数で語れば特に施設が少ない河津町は20世紀末から10年後には半減している。稲取だって伊東だって下がってるが、1割とか2割ですから廃業した宿が数値に現れてるくらいだろうと。近年のデータが見たいんだが、都合がよい資料が見つからなかった。地域が個別に出している資料は見比べるには指標が違いすぎ。こっちじゃ宿の数から客数など規模までの情報が入手できません。これでメシ食ってませんし趣味でも1軒1軒調べて規模を集計する気はない。そうまでしなくても見極めくらいはできる。

 さて、私は客としての感覚と集計資料から河津桜の販売が失策であったとの結論を出しているが、日本中に名前が轟いた河津桜によって、河津町の観光収益に一時的じゃなく、つながり続けるという根拠があるのならば本件について口を塞ぎたい。客が全ての情報にアクセスできるわけじゃないので、そんな資料があるなら提供してもらいたいものです。希望じゃなく正しいことを認めないことには先に繋げられない。

  観光資源じゃなければ、なぜ川沿いに植えたのか?
  観光資源として考えたのなら、なぜ販売したのか?

 民間取引なら止められないため、増やす時点から商標登録し、条例を作って守るべきだった。売るじゃなく観光資源として守る必要。 植樹した地方では盗難事件も報告されてる。一般化したと書いたが、それは観光地としてであって、桜の木の存在数としてはまだ少ないが、それもどんどん増えてると思われる。


 河津町および観光協会が当初相手にしてなかった河津桜を宣伝して客へ必要な情報を提供してくれたのは個人の「河津桜情報局」である。そこの方法をマネしたのが観光協会のウェブサイトのほうですからね。各地に河津桜を売ってしまったのはずっと前(河津桜に客がほとんどいない頃)ですから、お役所系である組織に先が読めてたとは思えない。

 河津町は自然交配から生まれたのを人工的に増やしてきたものだが、毎日のように見てて気づかず自然が観光資源だと思ってない地域もまだある。自然な場所に人工的に桜を植えたりするが、道路とか川沿いじゃないと余計に自然に見えるもので「売り」にはなるが、観光業だと見に行きやすいのと兼ね合いが重要か。


参考資料: 河津町総合計画策定にあたって、静岡県 年度別市町別観光交流客数の推移、国土交通省 伊豆観光圏整備計画、東伊豆町観光振興計画、下田市の現況と課題など河津町が扱われてる市町村公表データ
| emisaki | 00:41 | comments (0) | 旅・散策と行事::考察・批評 |
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