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柳ヶ瀬商店街再生の問題
 「柳ヶ瀬(柳ケ瀬・やながせ)商店街」 岐阜駅より北に1kmくらい行ったところにある。商店街の雰囲気として円頓寺本町~円頓寺商店街(えんどうじ 愛知県名古屋市西区那古野)、佐竹商店街(東京都台東区台東3丁目~4丁目)を思い起こすが、地方の商店街ならいくらでも見かける。東京の場合、佐竹商店街は近くの「おかず横丁」と共に都市化と子孫が離れた街の高齢化、そして劇的な交通網の整備による利便性からの流出、宅地から商業地への変化など長い目で見れば理由は色々ありそう。

 地方の都市はずっと建ち並んでいても低層なのと空き地や駐車場があり宅地の密度が薄い。岐阜県としてみると、2014年(平成26年)は11,596人の減少で転出超過は10年連続とある。岐阜市とすると転出超過にはなってないが出生と死亡を考慮すると人口減になっている。
(出典:平成26年岐阜県人口動態統計調査結果)


 岐阜県の人口は200万人ちょっと、山間部の少ない岐阜市とすると約41万人だ。極端だけと私が暮らしてきた東京都の区の人口より少なくて面積は数倍ある。個人的な感覚で捉えると人口密度は10分の1くらいと考えるべきか。それで店舗が10分の1なら何の問題もないわけですが、土地が広がっているだけに問題なわけですよね。



<立地>
 名古屋から電車で30km、柳ヶ瀬商店街は岐阜駅(JR・名鉄)から1kmと中途半端なところにある。岐阜城の城下町だから電車と関係なくて当たり前だ。ただし、近代の交通路が衰退に向かった可能性はある。それにしては江戸時代じゃなく昭和に商売繁盛していた理由はなんなのか?電車(汽車)なんて戦前から通ってた。よって昭和以降に理由がある。

 電車乗り換え、駅からバスの利用者がわざわざ行かない。宅地が続くが距離があるってことは商店街の効率が悪くなることで、始める前から経営が難しいことがわかる。商店街が作られた当時からしたら商業地の場所が変化したのかもしれない。知らないが、電車が走っていても岐阜駅前は商業地ではなかったのかも。

 昔の街道沿いに商店が並んでたり駅前に繁華街が全くないところで結構ありますからね。同地域の投稿だと、名鉄 諏訪町駅・稲荷口駅(愛知県豊川市)は民家のみで近くの街道(県道5号線)沿いに繁華街があり、四日市市駅(三重県四日市市)はJRは閑散としているが近鉄の駅は近代化した繁華街だ。一度焼け野原になった東京とは発展の仕方が異なる。岐阜の場合はJRと名鉄の駅がすぐ近くで駅前が繁華街と一般的に見えるが、岐阜県庁はさびしい場所にある。

 多くの商業施設は岐阜駅周辺に密集するものの柳ヶ瀬商店街の近くには岐阜市役所など公的機関があるから最悪ではない。そして知らぬ間にドンキホーテ柳ヶ瀬店なるものもできてた。後で調べると居抜き物件での開業。

 市役所の近くなら賑わってると思いきや、近くの商業ビルは古いまま空き部屋ばかりが目立っていた。潜在的な客数が少ないことはコンビニの数でわかった。岐阜駅から金ピカ像のほうの通り沿いにはあったが、名鉄の駅から市役所に続く道には一軒もなかった(駅前を除く)。周辺の住居の数からしたら、たまにあっても不思議じゃないのにないってことは、過去に出店したが売り上げが伸びず撤退したと考えたほうがよさそうだ。柳ヶ瀬商店街の中にも跡かもしれないのがあった。

 柳ヶ瀬は北だが岐阜駅の南口を出るとすぐにでも住宅地で商店街がない。郊外にアピタがある。南口の住民のほうが平均年齢が低いかもしれない。南口の住民はどこで買い物をするのだろうか?


<交通>
 名古屋→岐阜の距離は、東京→横浜、東京→大宮の距離であるが、駅周辺として横浜や大宮より桁違いに人影が薄くなる。私にとって岐阜の昼間はよくわからない場所だが、名古屋市内に宿泊できなかったとき尾張一宮、岐阜、大垣は宿泊地だったから年に何度も行ってた期間がある。宿は名古屋を中心にして全ての方向を探すが、深夜になることもあり交通を考えると大垣までの東海道線沿線が最良なのだ。東京方面だと安城、岡崎となるが豊橋まで行かないとホテルの数は少ない。花火大会でも行ってるが、桑名、四日市が同じような場所でも電車の本数が少ない。このように岐阜は東海道線である利点はある。

 東京中心の南関東の商業圏、通勤圏と比べて狭いわけですから、同じ距離は遠いと感じるでしょう。名古屋と岐阜の距離が東京~横浜と同じなのに街の規模は率として激減しますから遠いと感じるはずです。

 岐阜市内では路面電車が10年前に廃止されているが、車社会と言える地域にあり線路により決まったコースしか走れない路面電車より路線バスのほうが効率的と言える。さらに、中部地域の不道徳ぶり(道交法違反)が災いして路面電車が優先になってなかったという話も聞いた。そのあたりは名古屋でバス専用の高架橋を見たときに一般道では無理なんだと感づいた。連中が鎌倉に来たら江ノ電が時間通りに来なくなるだろう。

 長良川を渡って更に北側に大学病院と岐阜大学があり、そこへの通学は連結型の路線バス(清流ライナー)が走ってる。車両は私にもおなじみで、千葉県 JR幕張本郷駅から幕張新都心、幕張メッセ、千葉マリンスタジアムの路線で使われているのと同じだ。これで病院通いだけじゃなく、学生もいることがわかった。



<岐阜駅前>

 駅の西側に超高層マンションが建っていた。その岐阜シティ・タワー43は商業施設のほか、下層部が賃貸住宅で上層部が分譲住宅。これが都内だったら問題のないベッドタウンになるが、もし大部分の人の勤務地が名古屋市だとすると、名古屋市内および近隣に空き地があり開発の余地があるため、わざわざ遠くに住む必要がない。

 高層の集合住宅ともなると土地の値段も分散されるため、ちょっと調べたところでは分譲価格にそれほどの違いがない。名古屋市内でも中心地から離れていれば価格は下がる。

 東京は土地がないため超高層マンションになるしかないわけだが、名古屋駅近くを見ても商業ビルを除き、超高層マンションと言われる約20階建て以上の集合住宅が見当たらない。建ってても建築基準法で厳しくならない15階建てくらいだ。まだまだ建てられる余地がある。ようするに岐阜とか離れた場所だと劇的に値段が安くないと売れないであろう。

 このようなことから岐阜から見て「下り」な方面への通勤でもない限り、世代が変わるごとに岐阜から出てゆくのは当然の結果となる。人口の減少は都市部に住む余地があることを示している。

人口は減ると同じように、商店街衰退の必然を前提にて考えないといけない。



<岐阜駅から商店街の印象>

 柳ヶ瀬より岐阜駅に近づいた土曜日の夕方の状況。駅前に行かないと人影が増えない。少ない回数だがいつも見る光景であった。

 夏場とかも、この状況でホテル満室、キャンセル待ちでやっと取れたとかあるが、よく考えてみるとビジネスホテル数軒じゃ500人くらいにしかならないのかと。ホテルは全て駅前にある。そこから出歩くとしても、障壁は2つある。一つは大通り、二つ目は暗いほうへ行かないってこと。それを越えずとも店舗はあるから宿泊者は客にはならない。




商店街として呆れたのが、いまだに

  ・車両通行止めじゃない! (自転車は車両。例外があるとすれば深夜~早朝、搬入)
  ・商店街全域が禁煙じゃない! (もしくは全く守られてない)

ことだった。 屋根付き商店街の常識だと思いますよ。
道交法上、商店街の通路が何になっているのかが問題なんだと思うが、昔は道路だったとしても商店街になっていったい何十年経っているのかを考えると役所の対応のほうがまずい。

 速攻で調べたが、岐阜市は平成20年に路上喫煙禁止区域(路上禁煙区域)をJR岐阜駅前広場、長良橋通り、柳ヶ瀬、玉宮通り、市役所周辺に制定している。全く守られてないってことだ。柳ヶ瀬商店街は通行人の多い道だけしか指定されてない。(路上喫煙の規制について)。
 岐阜市役所はご存じないようだが、「路上喫煙禁止」と「歩きタバコ禁止」は意味が違ってるので正しく定義しないといけない。売人が“勝手に喫煙所”とか作られてても路上で吸えば違反になるが「歩きタバコ禁止」だと排ガス自体は規制されないんだ。一般的に駅、商業地域、公園など決められた箇所が「路上喫煙禁止」で、「歩きタバコ禁止」は全域にしないといけない。今の対応だと交通事故と同じで人と遭遇する可能性があることを思い知らせることができない。火の粉が飛んでくるとか、ぶら下げた手が幼児の目線だとか!


 仰天したのはステージと客の間を自転車に乗った爺さんが走り抜けて行ったことだ。もう、目が点になった。通称“名古屋走り”は自転車どころか歩行者にもある。地方に行くと、物心つかない幼児ではなく小学生に見える子すらイベントやってる客の前を堂々と通ったりするので、ちょっと遠回りする気もない他人への配慮なき人間に育てている地方の問題だ。誰もいないような田舎じゃないだろ。

そして上記3つの真ん中の写真に示されているよう

  ・落書きが消されていない

「割れ窓理論」が理解されていない。浄化しないで催しをやるのは順番が間違っている! 商店街組合は落書きを消すことから始めろ。自分の店の前じゃないとか関係ねーんだ。客からしたら繋がってるんだよ!

落書きを放置するところは治安も悪い → 住むべきところじゃない → 人口減


 このような事から思い起こすのが学生時代にテレビで聞いたタモリの言葉「名古屋には20年 時差がある」(年月は記憶曖昧)。ならば、離れた岐阜は更に時差があるということになる。プラス思考で考えれば、先に失敗と成功の事例が転がっているということ。

 古い商店街に何かなつかしさを感じるが、東京の場合はこうした場合でも人口が減ってないのと再開発で一変してしまう。同時期に変化しなくても個々の商店が徐々に変化してきている。ところがシャッター商店街と言われるようになると、時間が停止してしまってる。

 全ての街に別の対処法があり決まった対処法などないのだが、地方でも成功事例はある。参考にすべきことは多々あるはずだ。「やなな」の時代からご当地キャラは物販より宣伝の要素が強いため関係しないのだが、主催は損してないから続けてるわけだが商店街の役には立ってるようには思えないのだ。

 私は祭りや花火大会でも語ってるように、どこの誰だかわからない露天商より地元の店で買いたいと思ってるわけだが、そこの問題は次の項目で示す。



 今回は数時間滞在した。くつろいでいる時間はないが、食料は必要になってくる。どころが大部分の店舗にやる気がないというか、もはや催しに参加しなくなっている。稀に店先に出している店舗があるからそこで買うわけだが、これがコストパーフォーマンスが悪い。高くてうまくないわけです。

 以前から、シャッター商店街になるのはスーパーマーケットや大型店ができたからじゃないと言ってるよう。自らの水準というものを理解してないがゆえ商店街は衰退してゆく。

ようするに、

   柳ヶ瀬商店街のイベントは「人寄せ」には成功しているが、「客寄せ」には失敗している!

こちらとしては街を使ってパーティーを見せていただいて、ありがとうございましたとなる。例によって私が東京から行って儲けさせたのはJR東海だけ。これは主催者が想定していたことなのでしょうか?商店街の賑わいを少しでも取り戻すのが目的ではないのか!いままでの方針は間違ってるよ。

 商店街を活性化させる目的であったのならイベントを開催する前に店舗のほうの根性を叩き直すのが先決。これはどこのシャッター商店街でも同じ。現実には高齢化にてそういうことができない または、気力がないことにより、誰かやる気のある人さえも引き込んでしまってる。点在させず若手の事業者の店舗を集めることから始めないと再生は難しいと感じた。

| emisaki | 22:04 | comments (0) | 催し::情報・計画・考察 |
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