2015-02-16 Mon
伊豆ドリームパスが2月1日より新料金となったため、いくつかの例で南伊豆フリー乗車券との違いを考えてみる。まず、過去に私が推測した伊豆ドリームパスの値段が高い原因は駿河湾フェリーを含んでいることだが、社名にドリームって入ってることからも理由として当たってそうだ。販売されてる3ルート全てに駿河湾フェリーが含まれているだけじゃなく、駿河湾フェリーが運休の場合には伊豆ドリームパス自体が販売されない。これはどっかで聞いた話で、十国峠ケーブルカーが運休だと乗り場までバスの往復代だけでお得な切符すら販売されない。販売企画した側の路線が止まってては承知してる客にも売らないってことなのか。
<追記: 2021年6月30日で「南伊豆フリー乗車券」廃止>
【伊豆ドリームパス 重大な変更点】 (2015年2月1日より新料金)
山葵路ルート: 旧 6,500円→新料金 3,900円 3日間有効
黄金路ルート: 旧 5,890円→新料金 3,700円 3日間有効
富士見路ルート: 旧 4,640円→新料金 2,800円 2日間有効
・伊豆急行線は片道でしか利用できなくなった。一方向なら途中下車は可能。
・山葵路ルートでの伊豆急行線範囲は河津~伊東で全線ではないらしい。
・駿河湾フェリーは前から往路のみだが復路も利用する場合に伊豆ドリームパス利用者は半額。
説明がなされてないので謎。伊豆ドリームパスのウェブサイトの路線図に “南伊豆フリーパスエリア” ってのがあるが、これがなんだか不明だ。東海バスの同種のエリアはもっと広い。ルート個別の説明には一切でてこない。無料なのか有料なのかハッキリしない。ルートの選定どころか説明にすら落ち度ありってなんだろな。
そこが伊豆ドリームパスのフリーエリアに含まれるとすると、繋がってるのは「黄金路ルート」だけだから、ほかのルートは別途運賃を支払って来いって意味なんだろうか?謎が深まる。
<高い路線が半減した伊豆ドリームパスの利用価値は?>
フェリー料金を考えればお得なのはわかってるのだが、三保の松原へでも行かない限り必要ではなさそうだし、富士山を見るにしても地面の上からで十分である。
伊豆ドリームパスの過去の半額キャンペーン時や今回の新料金ではフェリーを全く使わなくても意味があるか? 伊豆急行線の利用で考えてみると、伊東から伊豆急下田までの運賃1620円、伊豆急線内での途中下車およびバス利用によって山葵路・黄金路ルートチケットを購入しても得になるか次第。
利用前の問題として、伊豆ドリームパス購入の重大な欠点は解消されてない。旅行代理店で購入できるのは引換券であって、発売所で引き換えなくてはならない。よって、東京方面なら伊東駅の改札外にある東海バスの営業所で引き換えなくてはならず、わざわざ伊東駅で途中下車して買う必要性がでるかもしれないのと、窓口が開く時間に行かなくてはならない。伊豆急行線は、だいたい30分に1本だが、特急が多く走る時間帯に降りてしまうと次の電車まで50分くらい待たされることがある。
伊豆急が片道しか使えなくなったことで、先に河津駅や伊豆急下田駅まで行ってしまうコースが見えた。伊豆ドリームパスを目的地の一部で買うってことだ。これで伊東駅で降りて買う必要がなくなる。そのためか河津駅、伊豆急下田駅で買えるのである。これ考えるなら、もっと他のことに頭使えよと…。
【南伊豆フリー乗車券】 JR東日本 <追記: 2021年6月30日で「南伊豆フリー乗車券」廃止>
南伊豆フリー乗車券 (2014年4月1日より消費税8%料金)
東京から 6,160円 2日間有効
横浜から 5,850円 2日間有効
小田原から 4,410円 2日間有効
・前日までに購入しておかなくてはならない
・フリー区間内は乗り降り自由 (乗車方向関係なし)
・JR線内での途中下車はできない (伊豆急との分かれ目である伊東駅を除く)
・東海道新幹線は使えませんが別途特急料金にて各種特急踊り子が利用可能
東京から買っても小田原、湯河原、熱海などJR区間で降りられない。小田急を使ったり、途中下車を考えるなら東京から行っても小田原からのを買っておいたほうがよさそうだが、お得度は大幅に下がります。伊豆急は全線で途中下車可能だが、路線バスの区間を考えるとあくまで南伊豆を周る切符である。
ちなみに、JR東日本による東伊豆に対応する同種の切符は残念ながら過去に廃止されてしまった。箱根への切符も同様にお得感があったが、黙ってても利用者がいるほうが先に廃止されてることから競争より収益優先の姿勢が見えたのである。
これからの時期を考えて、河津桜まつり、みなみの桜と菜の花まつり。伊豆ドリームパスでは山葵路・黄金路ルートとなるが、おのおので乗れるバス路線が異なり、山葵路ルートは下田からバスは対象外、黄金路は河津から河津七滝方面のバスが対象外だ。よって宿泊して双方を見るとしても別途出費となる。河津の場合は下流しか見ないというなら駅から徒歩でも構わないので黄金路ルートにしておいたほうが良いことになる。
南伊豆フリー乗車券の場合は河津駅から河津七滝、伊豆急下田から白浜海岸、須崎海岸、石廊崎、下賀茂(みなみの桜と菜の花まつり会場付近)、松崎、堂ヶ島などのバス路線を含む。河津七滝方面から修善寺や、堂ヶ島から土肥港へまで含まないものの一般的な利用者の要望には応じてる。
伊豆半島全体がフリー区間だった「伊豆フリーQきっぷ」が廃止されたことから新幹線往復と伊豆半島全体を周る人は劇的に少なかったことが予想される。残った「南伊豆フリー乗車券」の欠点は名称の通り南伊豆だけで、伊東駅から河津の手前まで主要駅ですら路線バスが全く含まれないことだ。(別途、東海バスに伊東市内のフリーきっぷがあります)
周りたいと思ってる場所によって選択肢は異なるが、大雑把には三島より西からでフェリーに乗る客は伊豆ドリームパスで、小田原から東の客は南伊豆フリー乗車券がよさそうだと考えられる。だが、もし伊豆半島だけを回ると考えると、過去より指摘のよう駿河湾フェリーを含んでいる意味がない。
駿河湾フェリーは廃止の危機から客を増やすためいろいろやってきてるから伊豆ドリームパスもフェリー会社が裏で糸を引いてる企画だと思われるが、旅行客にそんなことは関係がないんですよ。静岡や名古屋方面から伊豆半島に入るなら新幹線駅の三島駅のほうが圧倒的に有利である。強制的なルート組み込みは何か違和感。
年齢が若くなるほど行き先が明確であり、高齢者ほど移動しない傾向が強いため伊豆ドリームパスの元の値段は高すぎたと論じた。新料金にしたってことは利用者がいなくて行き詰まってたってことではないのだろうか? それより告知をしてないほうが問題だろう。JRもよく同じことをするのだが、告知してないくせに利用者が少ないから廃止とかやらかすんだ。スーパーJチャンネル(テレビ朝日)がお得な切符を過去に5回ほど紹介してるが、どれも東京から近距離のだけ。
黙ってても運行している路線は乗客を増やすだけで意味がある。私がお得意様還元切符と呼んでる「青春18きっぷ」、この利用客をバカにしてるような態度の駅員がいたのだが、客がいなくても走らないといけない路線に客を呼ぶだけで営業的に儲けとなることが理解できないようだ。安く済ませられるとしか考えられない人のほうが貧相な考えで、普段は使わない人が使ってくれると考え、事実その通りで収益があるから続けられてる。このあたりの考え方で企画側が賢いかどうかが見えてくる。
伊豆ドリームパス旧料金であると既存の割引をバラ買いしても大差ないのと比べ、下がった新料金で利用者が増えるかは使い勝手による。下記の使用例で示すように東京方面から往復できなくなった伊豆急行線でのメリットはほとんどない。東京から西伊豆の場合は高速乗り合いバスがある。中伊豆の場合は東海バスに天城路フリーパスがある。伊豆ドリームパス富士見路ルートには駿豆線と伊豆長岡からバスが含まれるが、宿泊地であったなら送迎バスがあるし、伊豆急に比べて駿豆線の運賃は安いのでそれほど問題にならない。料金改定より、そもそものルート選定に問題があったとは考えられないだろうか?
事業者ごとへの配分が問題視されるのだろうが、実際には範囲が広くたって使えやしないんですよ。JR東日本の「休日おでかけパス」や「週末パス」は範囲が広大なのですが、端から端まで乗ろうと思う奴なんていない。使う人によって行く場所の偏りが出るだけです。下手な範囲制限が関連事業者への経済効果をなくしているとは考えないのだろうか?だいたい交通事業者なんて別の事業をやってるでしょ。新料金にするための分配での取引(駆け引き)なんだろうが頭がよいとは思えないね。「週末パス」は南から気北まで13ものローカル線を含んでいるが、分配で揉めて実現できてるはずがない。伊豆急だって入ってる。やっぱり駿河湾フェリーが重荷になってるとしか思えない。
次に、バスだが、東伊豆および南伊豆では乗り降り自由のが発売されているのだが、西伊豆には全くない。修善寺から堂ヶ島、松崎の利用者はほとんどいないってことなのだろう。ちなみに、修善寺から松崎まで片道2,150円もかかるが、フェリーを主体としている伊豆ドリームパスは中間の土肥港を西伊豆の基点としてるため、土肥~修善寺、もしくは土肥~松崎の片側路線しか対象とならない。ほかにも路線の対象が異なるため、料金のかかる路線をよく考えて選ぶこととなる。
時刻表を調べえる人ならわかってもらえるが、フリー区間として地図に載せられていても片方向で1日1本しかない区間がある。伊豆ドリームパスでは南伊豆フリーパスエリアとして繋げて書いてあるが、南伊豆フリー乗車券では分断して書いてある。どちらが親切だろうか? 1日1本は存在してるものの近隣に宿泊してないと乗れない時間だから突っ込みを入れたい部分である。松崎町と南伊豆町の境界線に見えない壁があるため、雲見温泉から下田へは10:28の1便しかない。伊豆ドリームパス黄金路ルートにあるよう雲見から下田へは松崎から蓮台寺周りが基本なのだ。だから西伊豆から石廊崎も下田を経由しないとバスがない。このように路線を把握してないとお得かどうかの判断すら付けにくい。
<河津・南伊豆としての使用例>
電車 東京→伊東 2,270円
電車 伊東→河津 1,370円
電車 河津→伊豆急下田 490円
バス 下田駅→前原橋 630円
バス 日野→下田駅 500円
電車 伊豆急下田→伊東 1,620円
電車 伊東→東京 2,270円 合計9,150円
※ このコースで伊豆ドリームパスを使うともっと損が出る。
使うなら下田~松崎~土肥や、河津~修善寺~三島を周って帰る必要がある。
南伊豆フリー乗車券だと 6,610円 上記コースは全て含まれる
(バスで土肥は含まれないが堂ヶ島、松崎を含む。修善寺まで行けないが河津駅から河津七滝を含む)
お金は大事だし1000円でも浮けばもっと良いものが食べられる。だが、この対応路線内で決めるより、運賃を払っても行きたいところへ行くが先だ。そこから何がお得かを考えたい。
→ 伊豆ドリームパス
→ JR東日本 > お得なきっぷ > 南伊豆フリー乗車券
【伊豆急の割引切符】 結果、以下は伊豆急行線内からの客に対してのみお得
・河津桜まつり割引往復乗車券
伊東から 通常2,740円 → 2,200円
JR東京都区内あたりから伊東まで JR 2,270円×2
合計 6,740円となり、JR東日本の南伊豆フリー乗車券のほうがお得です。
小田原、横浜から河津の場合は、こちらのほうがお得。ですが、この乗車券では南伊豆へは行けません。両方に行くとなると南伊豆フリー乗車券となる。
・みなみの桜と菜の花まつり観光セット乗車券
伊東から 通常4,280~4,540円 → 3,640円 (伊東から伊豆急下田までとバス往復[1040~1300円]が含まれる)
JR東京都区内から伊東まで JR 2,270円×2
合計8,180円となります。横浜からは合計6,940円、小田原から合計4,980円。
この切符にて伊豆急行線で途中下車が可能かはわかりません。通常の切符なら途中下車可能ですが、往復割引ですから条件が異なることが考えられます。途中下車ができないと、更に不便になってしまう。
東京都区内(6,160円)、横浜市内(5,850円)、小田原(4,410円)のどこからでもJR東日本の南伊豆フリー乗車券のほうが得という計算になりました。河津と掛け持つなら熱海の人でも410円で小田原まで行って買い、戻って南伊豆へ向かったほうがお得。前途無効にすればよいので帰りは小田原まで行く必要がなく、別段ルール違反ではない。
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