2015-02-21 Sat
十国峠ケーブルカーが2015年4月1日から大幅値上げされます。大人、現行往復430円が往復720円となる予定です。このくらいなら普通と考えがちですが、周辺の同等路線はこの500円未満の運賃です。改修工事が理由に挙げられてますが、私は客が減った経営状態が理由だと考えています。レール交換など他の事業者もやってるからで、ならば大山ケーブルカー(神奈川県伊勢原市)は今年に長期運休して車両も交換すると発表してますから終わった後に倍の1000円にすると言い出しても不思議ではないが、そうはならないだろう。旅行してきてるなら300円くらいたいしたことないのかもしれないが、ちりも積もれば山だし、世間は無駄遣いとケチる部分が不思議と分かれている。これらの点からいろいろ考えてみたい...
私が生まれる前、熱海サボテン公園があって玄岳とロープウェイもあり、湯河原にもロープウェイがあったらしい。山奥に残骸と伊豆スカイラインから廃墟を見ることができる。湯河原の廃止年をみると私が生まれてからだが、赤ん坊じゃ知るよしもない。話に聞く新婚旅行先ブームってのはもっと前だから、やっぱり年代的に東京オリンピックと東海道新幹線開業(1964年)からで将来を見通したわけじゃないブームに乗ったバブル事業と考えられる。廃業した施設の一覧情報からすると東京オリンピック前後の開業が多い。古い人は新幹線ができたらもっと遠くに行くって頭がまわらなかったようです。
十国峠の上のほうがいいに決まってるが、道路上からも富士山は見える。高低差は約100メートルで、今後廃線になったら階段でよろしいのではないかとも思う。箱根の山々が邪魔をするから高い場所が良いに決まってるが、伊豆スカイラインから徒歩範囲で富士山がよく見える場所は多々ある。問題は誰の土地かわからないし、駐車場など整備されてない。熱海から見て北側の十国峠より玄岳とか南のほうが駐車場があったり見やすい場所が多い。
熱海駅からバスと十国峠ケーブルカー付きの「絶景富士山乗車券」大人1000円は2015年3月31日までです。ところがだ、富士山が綺麗に見える冬場に毎年点検の運休がある(1月から2月頃)。熱海からのルートを確立しておきながら、空気の状態と熱海梅園の時期に絡んでいると実にタイミングの悪いときに運休させてきた。私か考えるに閑散期はほかの時期にあると。
<追記: 2015年6月現在、「絶景富士山乗車券」は継続販売されたが十国峠ケーブルカーの値上げに伴い 大人1,200円となった。継続されてから販売期間がなくなり通年状態になっている。>
さらに伊豆箱根バスは冬季ダイヤとして半数になってしまう!(往復1日4便)
休日すら増やす気がない。4便っても戻ることを考えたら事実上4便ではない。タクシーで往復したら諭吉クンが懐から消える(4人で行くなら話は違うだろうが)。大半の客層である関東として、北関東を除く都市部では自家用車保有率の低下がある。“昭和”と比べたら激減と言ってもよい。更に客層からしたら公共交通の提案は当然である。
これらの理由から富士山を見るのは、
十国峠じゃなく箱根のほうが断然便利であることは言うまでもない
谷間であるから芦ノ湖から富士山は見えにくい、手前の山に隠れて上のほうしか見えないから、芦ノ湖と絶妙な関係で見られるポイントが限られる。だから駒ヶ岳ロープウェイがあるわけですよね。
冬だから人が来ないんじゃなく、寄せ付けなくしてるだけではないのか!? 長野県、飛騨高山、白川郷などわざわざ雪が降ってる時期に行くってことわかってるのだろうか? また、箱根あたりは雪が降ると交通が麻痺する。状況は雪国のほうがよっぽど悪いのだから都会並みの対処能力しかない。雪が問題になる回数が少ないから捨て置かれているわけですね。コストパーフォーマンスが合わないから休み(運休)にしたほうが経営的には正しいが。
例に出した大山ケーブルカー(神奈川県)は5月18日から9月30日まで工事期間で、観光シーズン真ん中と思われる時期に工事を行う。観光シーズンと書いたが、それは世間の一般論だって思い込みを捨てないといけない。真夏に夜の山なら涼しいのだが、真夏の日中にハイキングするようなところじゃない。熱射病にやられてしまうから、むしろ今のような時期のほうが客がいる。大多数の客は山岳登山じゃなくハイキング程度ですからね。富士山みたいに夏しか登れないところとは違う。
元箱根から熱海は何度か乗っているので、小田原から箱根より乗客が少ないのはわかってます。でも、平日と休日は違う。時期ハズレに元箱根・熱海というローカル路線でも数名は乗っていた記憶がある。これを増やす努力をしたって感じがない。
小田原→芦ノ湖より、芦ノ湖→熱海の路線のほうがよっぽど景色を楽しめる!
だけど便数がないから途中下車はできない。「絶景富士山乗車券」なんて作ったところで便数はそのまま! 観光シーズンに十国峠どころか姫の沢公園にだって安易に行けやしない。冬4便、夏8便のままだ。
バス会社持ってるグループが自家用車とか想定してる段階でおかしい
ついでに書くが、十国峠ケーブルカー初日の出運行って、どうやってそこまで行くんですか? JRが十国峠初日の出号って出してる段階で間抜けだと思うんですが、臨時バスが出てるなんてどこにも書いてない。ネット検索しても鉄っちゃんの投稿ばかり出てきて乗車記録すらでてこない。自分以外で1件みつけたが、同じく熱海駅から十国峠はタクシーしかないと文句が書かれていた。
JRの線名に「十国峠」を含めるのは問題ありありで来年から外していただくか、伊豆箱根バスが臨時バス出せ!そうじゃなきゃ意味ないでしょ。事前予約なら準備できる。それとも元日の臨時便で熱海には来るものの、誰も十国峠なんて行かないのか? 行く手段を提供してないんだから行かないとは言い切れないでしょ。初日の出が見えるか見えないかは熱海港でも十国峠でも同じで、天候が悪すぎない限り十国峠なら富士山が見えるかもしれないんだから意味はあるのです。
都会の住民ほど自家用車を持たず若者は興味を持たない。
社会生活状況の変化に対応してこなかった。
市場調査を怠るのは経営能力のない会社や商売によるある話だ。
次に競合できてない点
伊豆箱根バスとしては、「箱根バスフリー」、「箱根旅助け」を発売中だが、そこに辿り着くまでと全部込みのチケットがなくなってしまった。もちろん小田急グループなら「箱根フリーパス」が今でも存在してるから独占状態だ。西武グループはこちらに電車路線を持たないためJRと組んでいたのだが、JRが小田急と競争することをやめてしまった。競争せず独占状態になれる伊豆半島方面には力を入れてる。お得なきっぷについてJRってやつは宣伝しないくせに利用者が少ないから廃止しましたとか言うことが実に多いと感じてる。
箱根の “いちげんさん” じゃない方々への旅の提案が全くできてない。景色は見飽きてる方々、ロープウェイ以外で景色はほとんど見えないと知ってしまった方々はいち早く目的地へ行く手段のほうが適してる。だから各種路線に乗ってきた経験から、バスで大涌谷へ行って、そこから乗りたければロープウェイに乗る方法がある。
過去より言ってきたよう、大渋滞でも起きなければ大涌谷で黒たまごを食い終わって芦ノ湖に向かってる最中に、登山電車経由だと大涌谷に到着する頃。これくらい所要時間に差がある。もちろんバス移動だと地点、地点ごとの観光となるため、初めて箱根に行くなら登山電車やロープウェイをお薦めするが。
(小田原駅→大涌谷 バス約50分、 登山電車・ケーブルカー・ロープウェイ乗り継ぎ 約1時間30分)
西武グループとして地域的にはじっこのため秩父の1%もチカラを入れる気がないんだろうが、「小田原からの箱根」じゃなく「熱海・湯河原からの箱根」って提案をやったのかってことだ。やってダメだったのなら仕方がないが、そうしたキャンペーンなんて聞いたことがない。
→ 当ブログ【踊り子箱根フリーきっぷ】 利用記 (このお得きっぷは2011年6月に廃止)
→ 伊豆箱根鉄道 > 伊豆箱根バス > 箱根旅助け・箱根バスフリー
→ 小田急 > 箱根フリーパス
一般論として、
無駄遣いとケチる部分が不思議と分かれていると書いたが、交通費を何万円か数千円使ってるのに、何百円かの入場料をケチって入らなくなる場合があるってことで、これは私にも当てはまる。
ただ、入らなかった理由は、そこまで交通費や宿泊代を使ってきてるから正当な判断ができるようになっており、コストパーフォーマンスが合わない、もしくは、入る価値がないと判断したから例え100円だろうが払わないのである。
有料化したから入場者が減ったと議論することもあろうが、それは断片の事実であって、事の真相は価格に見合う価値がないと判断したからにすぎない。十国峠は、その判断させる前の段階で、容易く辿り着くことを阻んできたのである。
大阪、西九条のさっきぽも、カネを多く払えば早く入れる汚いやり方という議論が飛び交ってる一方、入園料の値上げでも入場者数アップ。足もと見られたやり口でも行きたいから増えているのではないか。浦安だって同じで常に当たらしい何かが待っている。ただし、中で出している飲食物がコストパーフォーマンスに合うとは絶対に思わない。観光地価格の極致だが、魔法にかかってるから高いと思ってないし、わかってて自ら飛び込んでゆく場合すらある。
過去にシャッター通り商店街になる店の傾向として書いたが、店を出せば客が来ると思ってて、何も変わりもせず、新しい商品も開発せず、市場調査もしないで自分の店が他と比べてまずいものを出していることすら気づきもしないから潰れるのではないか・・・。
この記事に対するコメントの受付は終了しています。
コメント
先頭へ △