2014-01-23 Thu
> 北海道函館市が6千万円投じた観光情報端末 道順案内に市民「変だ」 土地勘ない東京の業者開発スマホを巨大化させ横長にした情報端末は、函館駅と五稜郭に計2台設置されたが2013年12月20日のようである。
長年かかって多少は進化したといえ、コンピューターの乗り換え案内が人間的な能力を持っているかと言えば、もってない。そこには土地勘など関係のない情報の世界で算出されているからであり、ジョルダンに限らず、JRが提供しているのが自社線のみでもへんてこりんな路線を指示してくる。
また、情報には人間的な何らかの「重み」が設定されてないし、「徒歩」とか出してくるくせに、乗り換えで「歩きたくない」「何メートル、何分ならいい」とかいう条件を指定できない。現在の情報では接続している駅は徒歩0分なのだが、その駅の中が劇的に離れている場所も多く、遠回りしたほうがいいとか、手前で乗り換えたほうが歩かないといった使っている人たちは知ってる経験則がある。
JRの経路案内では客のことより自社への誘導のため、例えば、JR東日本なら「新幹線を使う」を選んでいるにも関わらず(“東海道・山陽新幹線「のぞみ」を除く”は選ばない)、東京から熱海を選んでも新幹線がでてこない。いろいろ条件や時間を変えて試したところ東海道新幹線が出てくるには行き先をJR東日本の管轄外にする必要がある。このように路線ごとに思惑が絡んでいるから交通事業者でないほうが旅人からみて正しい選択肢が出る。
上記以外でも過去にJR東日本の「えきねっと 乗り換え・運賃案内」不正確さを書いたことがあるが、元から激怒に至るような信用をしていないから、地図で位置を調べ、時刻表で他の時間の電車を調べるのが基本となっている。管轄内の検索ですら変なルートを示してくることは多々あるのだから信用できるはずがない。残念ながら交通案内なんてこの程度なんです。ただし地域を限りなく狭く限定してしまえば鋭いこともできるでしょう。それでもダメは業者の問題ですね。
・機械的な乗り換え案内なら「土地勘」は不要
・人間的な乗り換え案内には「土地勘」と「経験則」が必要 (これをデータ化してどう処理するかが問題)
・つながってる駅なら別駅名でも同じになるが、近くても別会社、別名だと無視される案内が多い
・徒歩の選択肢が入ると、持つべきデータが膨大になる (データを集めるだけで途方にくれる)
函館と言うと旅行者の知識しかないため深く語れないから知ってる場所を例に。東京駅(新幹線出口基準)から日本橋(駅じゃなく本当に橋のところ)を目的地とした。これを検索すると、えきねっと(路線時刻料金表示のため入力は駅名のみ)なら当然ながらJR線を絡めるので
東京→新橋→(銀座線)→日本橋駅
東京→神田→(銀座線)→日本橋駅
東京→新日本橋→(徒歩)→三越前→(銀座線)→日本橋駅
こう出た。
体が不自由だから遠回りしても電車がいい・・・・乗り換え距離、階段の条件は全く考慮されてない
電車を使う乗り継ぎルートが苦労しないとは限らない
東京→(丸の内線)→大手町→(東西線)→日本橋
と表示するのもあるが、もっと違ったルートを出すのもある。
このルートでの私の出す解答は、
・東京駅八重洲口→(都営バス南千住駅西口行)→日本橋[バス停]→(徒歩 約80m)→日本橋
新幹線からの出口を基準としたため、これが最も歩かない
・東京駅丸の内北口→(都営バス錦糸町駅前行)→日本橋[バス停]→(徒歩 約200m)→日本橋
新幹線からの出口を基準としたため、丸の内北口バス停に行くまで300mは歩く。日本橋のバス停も上記と違う。
・徒歩 新幹線改札口から日本橋(駅ではない)約900m
路面段差以上の階段がない。歩けるならバスを待ってるうちに到着するかも。
・東京駅八重洲北口→(江戸バス北循環)→室町二丁目→(徒歩250m)→日本橋
コミュニティーバスで運行時間帯の関係と本数が少なく、ちょっと歩くから。
室町二丁目バス停ってのはコレド日本橋で日本橋三越本店の対面。
※単位: m メートル
※江戸バス: 中央区コミュニティーバスで早朝および夜間は運行していない おおむね8~18時
この場合に徒歩を推すのは、電車、特に地下鉄の乗り換えで行くと徒歩で直接行くよりも長く歩く必要があるからです。東京の状況がわかってるから言えるが、地下鉄丸の内線で東京駅から大手町へ行き、丸の内線の大手町から東西線の大手町駅に行くには、上がったり下ったりで戻ってくるよう歩くから、東京駅から大手町駅では地下道を歩くのが普通。歩くのが困難、辛い人でもこのルートのほうが楽だから。
更に平行した路線の乗り換えにしても対面ホームとか楽なところろ階段を上り下りする駅がある。この情報を加えだすと大変で、到着番線が異なる場合まで対処する必要が出てくる。また、駅が大きすぎて手前の駅で降りて乗り換えたほうが楽というのもあるが、このような人間的なことは電子的な乗り換え(道)案内で可能な段階には達していない。
途中下車でき、料金も増えないのならば東京駅の山手線から京葉線に乗り換えは有楽町で降りたほうが200メートルくらい近い。東京は地下迷宮で近いと思っても長く歩くところが多い。前から苦情が出てたJR渋谷駅の山手線ホームと埼京線ホームが離れてるなんてのは当初からたいしたことのない距離なんだ。東急が地下に移動してからそっちのほうが酷い。
東京都職員専用線と揶揄されている都営地下鉄大江戸線は、都営同士の乗換駅で改札を出て地上にも出るという悲惨な駅がある。このようなデータをどう処理するかだ。時間と共に新しい線ができたり急行やら止まる駅が変わったり変化が激しい。昔、旅人としてデータ化しようと思ったが考えただけで挫折したのはこういう問題が見えたから。面倒でも毎回調べたほうが正しい結果につながる。
人間のほうが誤解している場合もある。 もはや存在しない地名で、その駅名も存在し、それを連呼するテレビ局があるからだ。それは汐留(しおどめ)で私が生まれるよりもずっと前から新橋(東新橋)となっている。これによって日本テレビでイベントをやっているときに、ゆりかもめ線に新橋から汐留まで乗る人を何人か見た。これには何のメリットもない。お金払って遠回りしているとも言える。電子的な検索で、日本テレビと汐留駅が安易に関連付けられていると起きる現象である。汐留駅で降りたほうがいいのは、芝浦・お台場のほうから乗ってきた場合だけである。ここに書いてない問題もあるから、あまり期待しないほうがよい。
経路探索と共に調べる必要があるのは「地理」
受注元の何点もの劣っていた結末が新聞記事となるべき苦情につながった。
私がよく「高低差」という情報を併記するのは、旅人としての経験則からくるもの。旅の素人である彼らが扱う徒歩100mと徒歩300mの情報には距離しか存在しないが、こちらには坂道やら道路状況なども加わるので、徒歩300mが遠いだけで除外されることはない。
情報を網羅し全国展開するには日本中の協力なくして実現はできないだろう。報酬をもらうではなく、お金を払っておきながら天気予報会社を儲けさせる情報提供をするくらいだから、お人よしの日本人ならやるかもしれない。
函館の情報端末の機能範囲がわからなかったので、ちょこっと検索したところ五稜郭タワーのサイトに写真付きであった。アンドロイドOSを使ってるそうだからスマホに転用するのも楽でしょう。函館より格段に貧弱な機能だが某所にも電子式の案内板があって、訳のわからない議員なんぞがデジタルサイネージだとか地方での無意味さも知らずに言うもんだから、その流れで操作性を伴う案内板ができた恐れあり。結末からしてどこの連中も同じような感覚で税金という懐の痛まず失敗の責任も取らないカネを使うものだ。
電子案内板が使えるようなひとは先に自分の端末で調べてるし、使えないひとはそれさえ意味なしってことがわからないんだよ。もし操作教える人を常駐させるなら案内人を置いたほうが絶大な効果あり。素直に看板(図)を作ったほうが伝わるし、なにより安上がりだったのだ。
> スマートフォンにデータを記録することが可能
スマホ持ってるなら用はありませんよ。みんなそう言うはずです。案内アプリごと提供するのが筋。
肯定的なこととしては修正しやすい点がある。イカール星人が怒り狂ってぶっ壊すかもしれない変化がある地域だとすれば、存在しなくなる目標物は避けてデフォルメした地図しか作れないが、電子化してれば詳細な地図も簡単に直せる。
次に言語問題がある。多国語に対応するのは電子化したほうが容易くできる。描いた説明版だと対応する言語をロゼッタストーンのごとく並べて書かないといえない。これも別途、外国語の説明書を作って配布したほうが安上がりだろう。それとも維持費を上回るほど配る外国人旅行者が来るのだろうか。場所によるってことだが函館なら印刷物対応で十分だと考えられる。海外旅行客対応なら北海道で外国人だらけなニセコにご教示願えばいい。
苦情が来たとされる乗り換え案内部分だが、函館の固有部分に限定していれば私が上記で指摘してきた数々の点を考慮したものが作れる。それをしなかったのは儲けのために、既存のデータを使って安易に済ませてしまったと考えられる。機械を除く開発費だけで約5千万、維持費年間100万からも入るだろうから定期収入付きでオイシイ商売ですね。俺が受注してたら旅人としてプライドがあるから、こんな間抜けな結果は許さないよ。
20代の意欲と頭の回転があったらなぁ~。
※デジタルサイネージ: 簡単に言えば、データ通信で内容の変更が容易い電子式表示な広告版
→ 北海道函館市が6千万円投じた観光情報端末 道順案内に市民「変だ」
→ 北海道新聞
→ 五稜郭タワーに情報端末設置
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