2015-06-24 Wed
ちょっと前に伊豆新聞に南伊豆町でバス路線が延びるようなことが書いてあったが、住民用だろうから観光客にメリットはないだろう。その場所としては石廊崎灯台に行くのを想定して過去に行くのが困難だと指摘済みの路線で、「石廊崎港口」と「仲木口」バス停の間の本数が激減する路線が問題なわけだ。伊豆急下田駅から石廊崎灯台に行くとなると直通便は3便で使いにくく、「休暇村」(弓ヶ浜)か下賀茂で乗り継ぎのほうが便数は多くなる。延ばすのは3便らしいが、どの時間のを石廊崎港まで延ばすかによって使い勝手が変わってくる。観光としては「石廊崎灯台」よりも「石廊崎港」であると考える。なぜなら石廊崎灯台は特定日にしか公開されておらず、多くは石廊崎港から遊覧船だと考えられる。交通の便の悪さから移動効率が大幅に落ちるため、より魅力的な洞窟クルーズのある堂ヶ島を思い浮かべる。
南伊豆町のあたりは伊豆ドリームパスは範囲外だが、南伊豆フリー乗車券(JR東日本)、南伊豆フリーパス(東海バス)の範囲であるが、周遊券なしで普通に乗って金額が増してもバスがないに比べたら他愛もない。だから石廊崎灯台に行くと移動できなくなる危険性のほうが問題。午前中は石廊崎灯台を通る便があるが、13:19が最終。吉祥、下賀茂経由であるため下田駅方面に行くなら遠回りだ。「仲木口」まで歩くなら「石廊崎港口」バス停まで2~3キロ歩いたほうが便数が増える。
この路線より問題なのは妻良・子浦~雲見・松崎であって往復1便しかない。早朝にある松崎高校行きは波勝崎口(南伊豆町)を抜けると停車なく直通のようだ。そして帰りの便は掲載されてないが松崎高校という停留場も存在しないため事実上のスクールバスだ。1往復を除くと、松崎町と南伊豆町はバスがつながらない。運行本数を考えると雲見入谷→伊浜が約10キロ、少し便数が増える雲見入谷→子浦だと約15キロも歩く必要がある。この国道136号は歩道がないから危険。
15キロ区間を時速5キロ歩行で3時間だとしたらバスが多いで逆周りに雲見→松崎→蓮台寺→下田、そして下田→下賀茂→妻良・子浦と乗り換え待ちを含むと所要時間は同等となり、私なら馬鹿馬鹿しい移動によってこの地域が無意味な場所だと断定してしまう。これを払拭するには隠れ世界遺産級な場所が必要だ。
住民として考えると所属してても生活の場として市町村の境界線なんて関係ないわけだが、この境界によって路線が分断されて移動できないことが実に多い。境界が地形に左右されており集落の分布にも関わってるからだが、“境界線割り”なる縦割り行政が管轄として民営の公共交通への影響が大きく、距離が近いほうへ行けないことがよくある。
山間部の道路問題から大型バスが通れない場所の多い伊豆半島で小型バス(通称マイクロバス)や大型乗用車(和製語で言うワンボックスカー)を利用した定期運行路線って見たことがない。(※ 熱海市の湯~遊~バスの車両はまだ大きいほうです)
こう書いてる横で調べていると、2014年6月1日現在での静岡県内のコミュニティーバス運行状況ってのが見つかった。それを見ると廃止路線の代替えが多いわけで、前からの路線が税金によって存続してるだけでしょう。それが本当にバスを必要としてる地域にまで入らず、乗車人数に対して無駄に大きいバスが走り続けてる理由か。そして土日は運休だから我々が見かけることがないと。
縦割り行政だから隣の市町村とは連携して運行なんてできやしないと。学校や大きな病院がない場合には走ってるが、連携してない証拠として隣りの市町村から運行されてる場合は運行市町村内にしかバス停がない。A町が委託で運行してるB町の学校へ行くバスはA町を出たら学校へ直行。どこの市町村がカネを出しているとかじゃなく、日本国としてこうした無駄が多すぎだ。なぜ共同で運行できないのか!
連携しないのは大都会 東京のコミュニティーバスだって同じだから、都営バスのほうが東京23区の境界線に捕らわれず運行するし、高齢者には乗り放題な定期がある。場所によっては商業施設が共同で経費を出して運行している無料の巡回(送迎)バスのほうが使い物になる。例えば多人数が利用しててもJRの駅は隣の市町村なんてのも多いから役所の境界線で分けてロクなことない。
ローカル路線バスの旅や自転車での移動番組を見てればわかるが、田舎の道路は危険がいっぱいだ。更に歩道がなかったり、全国的には歩行者と自転車は通行できない自動車専用にされてしまった普通の道もあり、路線バスもなくどうやって行くんだボケ!って思ったことがある。
普通の道路を歩いてたら何の表示もなく知らぬ間に自動車専用道になってて慌てて横道にそれたことがある。その例として 千葉県道286号 銚子ドーバーライン。手前まで民家はあるし自動車専用道なる雰囲気もなかったが、県道254号と交差する地点から北部はどうみても自動車専用道なのに進入を防いでなかった。空気を読んで避けた道なのに銚子駅へ向かうため入った県道254号のほうが路肩なんて存在しない細くて危ない道だったわけ。誰か歩くなんて考えてないわけよ。
「地方の人ほど歩きたがらない」は私も感じてきたし各種テレビ番組にて状況証拠が示されているが、ようするに地方は役所を含めて誰も歩くとは思ってないわけだ。仕方がないが利用頻度が劇的に低いから民主主義的に捨て置かれる。公共交通がないからヨボヨボな老人なのに免許も取り上げられず自動車を運転しての事故が激増してる。田舎は人と出遭う確率が低いのに事故が多いことは現実、とんでもなく危険だと。事故の総数で語れば東京都は最悪だが人口と走行車両から比率で考えたら47都道府県で最も安全って実に皮肉な結果がある。
高齢者じゃなくても地方の方々は自動車で都会に出られるような能力が身についておらず罪人になるまで自覚しない危険人物一直線、「人間がいない」が彼らの概念となってるからスピード違反が当たり前で歩けるところすら危険がいっぱいな道路にしてしまう。過疎化が公共交通を減らすこととなり危険性を増やす悪の相乗効果。公共交通が減るということは利便性が悪くなる以上の弊害をもたらしてきた。よくある政治発想と効率を優先するならば、人口減少、過疎化して分散してしまった人間のほうを集めるしかないわけだ。
結果的に自家用車に頼りすぎたことが自らの首を絞めた。公共交通と呼ばれても儲けを出してこそ運営できる民営なのだから赤字では運行できない。それを見捨ててきたくせに運転できなくなってから文句を言うなら都合がよすぎるのではないか!
<追記 2015年6月25日
テレビ東京「カンブリア宮殿」 赤字路線バスの復活劇!地元に愛される“超地域密着”戦略 を見て
ここで語る地方路線とそこそこ人が住んでる川越周辺では話が違っており、大手事業者が赤字にて撤退したのは大手とやらの能力がなかったのが大きな理由でしょう。収益を優先として場所に合わせた営業や運行方法をしてこなかったことが市民に迷惑をかけてきて客離れを生んだ。川越を人気観光地にしたイーグルバスは大企業のような考え方をしなかった。
役所は路線を存続させるように大手に丸投げするんじゃなく、こういう業者にこそ補助金を出すべきだろう。何も考えもせず路線廃止されると困るからお金を出すなんて無責任な税金の使い方である。番組に出たイーグルバスは地方路線にも参入し、路線を変更したりバスターミナルの街づくりまで行って活性化させた。
成功例を安易にマネをするのがいるが、どこでも同じ方法が通用するわけがない。個々の地域の状況を把握し、利用者よりも使わない人の話を聞かなければ道は開けない。観光地や都会であっても大企業になるほど腰掛け社員が増えるし、地方であると あきらめて やる気がない雰囲気が伝わってくる。それらを私たち観光客が持って帰るとどうなるか。テレビで取り上げられる人は極端な成功で、そこまでは求めないにしても、世の中には使えねぇくせに経営者気取りが実に多いのだと毎度のように思うのであった。
>
<追記: 2021年6月30日で「南伊豆フリー乗車券」廃止>
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