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由布院温泉のこと 大分県由布市湯布院町
 由布院温泉は観光経済新聞 「第26回 にっぽんの温泉100選」第3位で、ずっと2~3位を維持している。 そして、国土交通省の「まち再生事例」を読んでて思うことがあった。元ネタは旧・湯布院町のウェブサイトにあったようだが2005年に合併して由布市になり見つからない。

 私は湯治と呼ぶに程遠い、すぐ帰る温泉の効能はプラセボ(思い込み)効果でしかないと考えており、日本人は休暇なのに疲れて帰ってくるのも得意だから何の要素かを含めて温泉地として上位に食い込む理由に興味があった。今回の件では「再生事例」なんて書いてあるくらいだから過去に何か起きてきたのだろうと資料を読み進めた...

 1952年のダム建設計画への大反対活動。高度成長期より行楽地としての観光整備をし「ゆふいん音楽祭」「湯布院映画祭」など開催、その努力を台無しにするかのよう1987年に総合保養地整備法(リゾート法)が施行してから持ち上がったリゾートマンション、ゴルフ場など大型開発が持ち込まれ札束に負けた地権者(農家)が売り渡してしまったようだ。そこで生活を守るために住民が団結。住民と行政が一体となって取り組んできた大規模開発を制御(規制)するため潤いのあるまちづくり条例を制定した(由布市景観条例、湯の坪街道周辺地区景観計画なども作られている)。条例は後の祭であることが多いが、由布院の場合は制定以前から胡散臭い業者からの乱開発を阻止してきたことが成功につながったと感じる。 <ダム建設も新規ゴルフ場も阻止に成功>

 大規模開発の多くは排除できたものの温泉地として有名になったことで地域のことを考えないで事業を行う外部からの業者も目立つようになった。更に観光地化によって住民との対立を生むことにもなる。これが草津温泉(群馬県)や黒川温泉(熊本県)のような人里離れた地域だったらそうもならなかっただろう。不思議に感じてるのが、町の景観はよくても民家が点在している中に温泉宿が多くあるような立地だと良いとは思えない(それだから住民と対立も起きたか?)。これは由布院駅から西側の温泉街を見たときであり、由布市として大きく見たら景観が良い場所ばかりです。


 温泉地や観光地なんてところに限って調べていると、行政が住民や地域に根付いている小さい業者とでなく、行政が大きな事業者と結託したところのほうが結果的に失敗しているのではないか。一時的な税収や事業収益を短期的に見るからで、儲けたら倒産・解散・譲渡など計画性を疑いたくなる不動産業には後はどうなろうと知らん無責任さを感じる。そんなことされたら困るのは役所のほうだが役(立たず)人は誰も責任をとらないし、役所の“頭”は短期的に挿げ替えられて過去のことはひと事だ。越後湯沢のゴースト リゾート マンションのように何十年後を見てない無計画開発による負の遺産は全国各地で増えてくるはず。

 別件であるが私自身、テレビCMを打てる大手不動産屋がリゾート開発において住民を黙らせるため雇ったであろう奴が住民に扮して環境に影響がないなどとごちゃごちゃ書いてる偽ブログを目の当たりにした。そいつは私も騙した流れからこの件を知ることとなった。こうした汚らしい先には現地からも喜ばれる成功など有り得ない。


地域を考えない業者とつるんできた役所ほど後日 マスコミに吊るし上げられてきていませんか?
ずっと住民のほうを向いてきた由布院の役所は偉い!


 もっと勉強してみようかと思って温泉地再生がらみの書籍をチェックしたら著者紹介の肩書きばっかり偉そうな人のが出てきて価格が高く、パラパラ立ち読み確認で中身は我々の今までの体験から推察できる程度と見切った。帰ってウェブサイトで再確認すると評価が低く価格の割りに内容が薄いと書かれてた。由布院だけの話なら文庫サイズの735円であったので、よさそうなら読んでみたい。

 さて、私が観光客として見たいテレビ番組は 「いい旅 夢気分」 とかいう ボーっとした番組ではありません。「カンブリア宮殿」や「ガイアの夜明け」なのです。黒川温泉に興味を持ったのも温泉が衰退しているのに一軒だけ繁盛している宿があり、そこから全体の再生を追った番組を見たからなのです。

 先日も、某所を扱った「出没!アド街ック天国」の放送後、○○が紹介されなかった(ランクインしなかった)と、探したわけでもなく現地の書き込みを2件と小耳に挟んだ1件、そこが客とズレているということに気づかないからダメだってことです。客が欲してないのを推してきてどうするんでしょうか?
まだまだ各地で客とのこうしたズレがあるようです。真っ先に悔い改める部分ですね。
| emisaki | 23:13 | comments (0) | 旅・散策と行事::考察 |
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