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伊豆クレイルの価値と読み取れること
 2016年7月16日によりJR東日本のリゾート電車「伊豆クレイル」が運行開始した。高価な座席はグリーン車の形式ではなく食事や宿泊がセットになった旅行会社からの販売であり、券売機で買える普通の切符は2×2座席車両の座席だけ。投稿時点では日帰りコースの行き(往路)に伊豆クレイルに乗るのが売り切れとなっていた。現在のパンフレットによると運航日は9月末までの土休日となっており、10月以降は不明だが同じでしょう。

 これニュースで聞いたとき「はぁ?」って思ったのが、小田原~伊豆急下田の運行であったこと。小田急から乗り換えるなら良いが、東海道線からの乗り換えは馬鹿馬鹿しい。JR東日本であることが災いして、東京~熱海を新幹線なんて選択肢は許さないわけ。次に、何番煎じだかのこの企画電車の意味があるか?ってこと。既に路線としてはスーパービュー踊り子、マリンエクスプレス踊り子と投入され、食事が出る割高コースの価値は何なのか...

 企画販売部分は9月末の売り出し分の日帰りコースは満席になってる。この部分の成功を否定する気は全くない。少人数チャーター便のように割高になってもよいという方々が一定層いるということだから。たとえば飛鳥IIやにっぽん丸の船の旅は1日分が高級旅館1泊に相当するが利用する方々がいるのと同じだろう。だったら他のお金の使い方があると考えるかは個々の問題だ。


 旅の話とは異なるが、これによって普通電車の増便の道は減少した。東京からはマリンエクスプレス踊り子が加わり、過密ダイヤの隙間がなくなったから伊豆クレイルは小田原からになったと考えるのが筋。

 東海道線の約半数は小田原より東京寄り止まり、湘南新宿ラインにしても国府津や小田原までだ。過去より東京から熱海までの増便の要望を耳にしていたが、JR東日本の無言の回答は「金が儲かる観光路線」だったわけだ。

 東京近郊から他の観光地を考えると既に多くの路線が走ってる。運行ダイヤはガラガラだからって八高線とか両毛線に入っても車窓だの目的地だのを見失う。熱海から伊豆急下田は単線であるものの通常30分に1本だから入り込む余地がある。

 そんな予想から小田原だろうと熱海だろうとJRの運賃区間は短いから儲けの構図が別にあったわけだと。ランチ(弁当)とティータイムメニューによって、ひじょ~に割高となっている。スーパービュー踊り子も高いけど、旅行商品として売られている割引料金のことなど既存の宿泊プランと対比させ割高なんだと。余談だがスーパービュー踊り子も成田エクスプレスなんかも新幹線に匹敵するクソ高い料金の特急がJR東日本には多く感じる。


> 伊豆クレイル

 特急ではなく快速。 時刻表を調べてびっくりしたのだが、快速としても各駅停車じゃないからであって、なんと各駅停車よりも所要時間がかかる! 伊豆クレイルの案内には景観の良い場所で徐行運転すると書いてある。


車両

・1号車 24席 展望車両 2名単位でしか申し込めない (3名、5名とか奇数はダメ)
・2号車 座席なし バーカウンター  (利用効率としてもったいない感じ)
・3号車 22席 コンパートメント席 3・4名単位 (1つのみ2名用がある)
・4号車 52席 2シート×2×13列車両 (海側と山側になるかで差が出る)

4号車のみ運賃とグリーン座席指定切符で販売されるから料理は付かない。
3号車の条件からすると5名ってのは許されず、3と4の組み合わせだけでしょう。


> 旅行商品に付属の商品券や割引券の使い道

 小田原基点で行きに伊豆クレイルに乗る日帰りコースが売り切れだが、それだと伊豆急下田到着が14時過ぎである。帰りが特急踊り子なプランが用意されているが、特急だと16時台で終了する。

  「下田を満喫」 はぁ?

2時間ちょっとしかありません。日帰りで帰りを特急踊り子にするコースは意味ないだろ。
普通電車より遅く到着するくせに、その宣伝文句はおかしい。日帰りで満喫はできんな。

 伊豆急下田14:06着だが伊豆急は単線のため何分か遅れの可能性はある。バス移動を考えると無駄な待ち時間が差し引かれる。既に高い費用がかかってるからバス待ちよりタクシー。道の駅もペリーロードも徒歩で行けないこともないが、少ない時間に30分以上も徒歩時間を組み込む必要がある。

 帰りに普通電車を使えるコースもあるが、滞在に比例して東京に戻る時間が遅くなる。最終は伊豆急下田20:38からの乗り継ぎで東京駅に23:46着。地方や観光地の時間軸からすると15時、16時ってのは終わり始める時間帯だから、そこまで遅い時間にまで留まってることはないでしょう。

 この電車の運行はホテルに直行の時刻だから当日の観光には適さない。よって日帰りコースなんてもっと適さないことになる。日帰りコースであっても、帰りの乗車券が翌日に使えるようなら自分で宿を確保しておくという手が使えるが、日帰りコースとなっている以上は許さないだろうね。切符で買える座席を選択するしかないが、この車両にどうしても乗りたいとの理由が必要だ。


> 日帰りコースの意味

 「食とお酒、会話を楽しむ」って書いてあるように、おばちゃんたちが乗って行って、そのまま次の特急で帰ってくるのがいいところでしょう。せいぜい下田駅の周辺で買い物するのがいいところ。最終の特急でも東京駅に着くのは20:58だから。

 ペリーロード、道の駅、寝姿山、どこかへ行ける時間はあるが満喫する時間はない。方向によってバスは1時間に1本以下だ。レンタカーって使う時間も距離もなさそうだし、時間を有効に使う選択肢は貸し自転車でしょう。

 これら考えると、なんで小田原11:40頃なんて遅いほうから売り切れるのか知りたくなった。地方の時間軸からしたら、早朝に出発して、日が暮れないうちに帰路につくのが基本。伊豆急下田15:09発の帰りのコースを選択することでしょう。

 電車の運行自体が のんびり しているのだから、下田に着いて時間がないって予定を組んではいけないんだろう。宿泊しないなら「乗り鉄」になるかがこの電車の価値か。どこか見学(観光)するなら伊豆クレイルを選んではいけないのだと。だったら、地元の反発を食らったとしても「需要」として往復というコースを前面に出すべきではなかったか。


> 運行時刻を調べて  

 小田原 11:40→12:22 熱海 !?

しょちゅう乗ってれば小田原から熱海が何分かかるかくらい知ってるので、時刻を見た瞬間に誤植かと思った。たぶん、景観がどうのって書いてあるくらいだから根府川あたりで止まってるんだろうな。昨日の大雨でもあったように、景色の代償として不通になるのが多いのも根府川である。

 どうやら小田原を後に出発する東海道線が追い越す。オイオイ、根府川で特急踊り子に抜かれるから待たされるのは何度も遭遇してるが普通電車が追い越すなんて!

 熱海 12:22着だからって12:24 発は伊豆クレイルではなかった

 熱海駅で普通電車を先に出発させるみたい。その乗り換え可能な普通電車のほうが伊豆急下田に10分くらい早く着く。その電車が「リゾート21」(展望座席付き普通電車)だってわかった瞬間に大笑いしてしまった。おいおい山側にでも座ったくらいならリゾート21を待っていたほうがいだろって。それに車内で出るメシだって伊豆のどこかの店でお金を使ったほうがいいんじゃないかってさ。

(追記: 2016年9月からリゾート21の2編成が保守と改装になり当面の間「黒船電車」だけに減る)


> 女性ウケする

 質というより値段の大半を占める「名前」でしかない、いわゆるブランド品にお金を出せる女性にはウケるとは思うが、多くの男性のように論理的な考えでは価値はみいだせない。

 そういうことでデートはムードが重要であるように、女性にしては観光ではなく電車に乗って景色を見ながら友人としゃべるという意味合いが強いのではないか。販売の率は不明だが、日帰りコースがまっさきに売り切れになったことが示しているのは下田に14時過ぎに着いても観光時間ないからすぐ戻ってくるのではないか。

 そこまでの理由がわかってるなら、小学生以下や18歳未満お断りにしたほうがよろしい。騒がれては満喫や骨休めどころではないから。いまどきの無秩序な若年ファミリーでは他人に迷惑でしかなかろう。新幹線のグリーン車にてバカ親に激怒したことが何度もある。赤ん坊なら仕方がないところがあるが言うことがわかる幼児からは話が違う(その逆として新幹線には子連れ専用ファミリー車両がある)。

高い費用には保証が大切だ。


> 証明してくれたこと

 東京からのコースが設定されていたとしても伊豆クレイルが走るのは小田原~伊豆急下田である。乗り換えることが苦にならないってことだ。最寄り駅が品川駅の人はいるかもしれないが、最寄り駅が東京駅って人はまずいない。前の段階で何度か乗り換えていることになる。問題となるのは例えエスカレーターが付いていたとしてもプラットホームの移動でしょう。対面に停車してくれればお年より方でもそれほど苦にならないのではないか。



> 伊豆クレイルは地域観光に貢献するか?

 私は一部で貢献し、残りの大部分で貢献しないと考える。伊豆クレイルだと満員でも100人に満たない。約半数である旅行商品の購入として乗車している方々は伊豆急下田までの料金を徴収されており途中駅までという設定がない。微々たる売り上げ貢献は下田のみ。ほかの停車駅は限りなくゼロに近いと考える。

 伊豆急下田まで行かず、途中駅で降りるべく普通に切符を買うひとなら、わざわざグリーン座席指定料金にてこの電車にする必要がない。通常のJR東日本びゅう旅と違って高い料金のホテルが抱き合わされている感じがする。違う言い方をすればコストパーフォーマンスが高い宿の選択肢がない。そして「宿泊プラン」の全ツアーを見ると、伊豆急下田駅で下車するのを前提にした宿しかない。

他の場所に行くなら既に電車があるのだから、これは下田専用ということでしょうか。
各地に生まれた観光列車の二番煎じ小規模版で、鉄道会社が収益を上げるための電車だ。

| emisaki | 2016-07-21 Thu 23:06 | comments (0) | 旅・散策と行事::考察・批評 |
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