2016-11-11 Fri
奈良県南部の指定された宿泊者へ向けた路線バス運賃のキャッシュバッグキャンペーンがまた始まる。ちょっと確認を怠っていたら10月28日に発表があったのを確認できた。2016年11月30日までは十津川村が独自に行っているもので、十津川村温泉周辺の宿のみで5日(7日とした宿もあり)前までに予約して路線バス利用権を送ってもらう必要があったが、奈良県が行うのは以前と同じ精算時に乗車証明証をもらい、帰りは宿が無料乗車券を発行してくれる...
名称: 奈良県奥大和地域宿泊者限定 路線バスキャッシュバックキャンペーン
期間: 2016年12月1日~2017年3月31日チェックアウトまで
対象宿の地域: 宇陀市 曽爾村 御杖村 五條市 吉野町 天川村 十津川村 川上村 東吉野村
対象となるバス路線にもご注意。
特典: 指定路線バスの運賃を全額返金 (バスでは支払い、宿にて返金)
名称: 県×近鉄コラボ旅行企画 第3弾! 奈良奥大和旅(冬)個人旅行
期間: 2016年12月1日~2017年3月30日出発
対象: 1泊2日 個人旅行 天川村・十津川村2コース×3宿より選択
特典: コース内のバス運賃を奈良県が全額助成(旅行会社の提示額にて差し引き済み)
※ これは近畿日本鉄道の決められた旅行プランなので下記の話とは関係なし。
奈良県の資料に乗車例があるのだが、そこでは単純な例しかないので絶望的だと思う移動として、
新宮または湯の峰温泉(泊)→(路線バス)→八木→(近鉄)→榛原→(路線バス)→曽爾村など(泊)
とした場合、湯の峰温泉はバス路線上であるが和歌山県の宿のため対象外だから単に出発地という名目で、路線バス八木新宮線にて北上し、バスはつながってないため近鉄の電車を経由してから別の路線バスとなるわけだが、双方の路線バスが返金対象となるのかどうかだ。
※ 最初が十津川村になってないのは移動手段が奈良交通バス八木新宮線(1日3便)しかないから
※ 新宮駅~川湯温泉、湯の峰温泉、熊野本宮大社なら熊野交通バスが1時間に1便くらいある
どうしてそういうルートが出てきたかと言うと熊野本宮大社から谷瀬の吊り橋を見て値段の張る宿を避けるべく仮に計画してみるとそうなった。1年前なら五條市の五条駅から1キロくらい離れたところにホテルがあったが、今回はそのような路線の始点近くに対象の宿が全く配置されておらず全てが山奥と言ってよい。
上記の例の選択をしたとしても、近鉄 榛原駅から曽爾村 御杖村への路線バスも1日4~5便と都合よく移動できないし最寄り駅から20km以上だからタクシーを使ったら大赤字。また、吉野町の宿だとしたらロープウェイと近鉄のほうが早い。二泊三日で対象地域を移動しようにも上記例の場合は長い区間のほうは返金されないことになる。
バス代の全額返金を狙うなら二泊とも対象の宿の範囲で移動する必要があるのだが移動だけで終わる秘境が並ぶ。だが、宿代が15,000→20,000円となったら運賃返金なんて無意味と化すのだ。宿にその差の価値があるなら別だが、クチコミ情報からはそうでもないわけだし、だから奈良県がバス代において補助金を出すことになってるのではないかと。
というわけで、過去に突っ込みを入れてるとおりで、奈良県はカネだけ出すけど頭は使ってないし、客の立場の想定も甘い。さらに言うならば、悲劇的な路線バスの時刻表を見てからにしろって思うわけ。これからの季節だとバスに乗り遅れたら凍死だってところだよ。
JR西日本のお得な切符「奈良・大阪フリーきっぷ」「奈良大和路遊々きっぷ」、ほか「スルット関西」など、(兵庫)大阪 京都 奈良の主要部分しか対応していない一般観光客向けで奈良県の南部までは含まない。
JR西日本「くろしお指定席往復きっぷ」にしても、京都~新宮10,800円、大阪市内~新宮10,080円であるが2名が同一行程でないといけない駄目な切符である。もっと駄目な理由があるから大阪からじゃなく名古屋にいる時を選んだわけで、JR東海「南紀・熊野古道フリーきっぷ 中辺路コース」は名古屋駅から9,780円で、特急電車の往復のみならず熊野交通バスの指定圏内3日間の乗り降り自由券(新宮 勝浦 和歌山県内 「熊野交通 悠遊フリー3日間」 に相当)が付いてる。だから大阪にいても名古屋(ほか津など沿線)まで行ったほうがよいと。
ということで、奈良県○○村を周るためのお得な切符は存在していないし、昔の都のほうと観光客数は何桁も違うから切符の存在意義がなく、秘境では利用もままならない。よって使った分を返金する手段においては正しいでしょう。それが旅する側から見て機能するかは別問題。
最初に「キャッシュバックキャンペーン」を考えず旅の計画をすべきである。先に返金を狙って決めると結果的に損をするのではないか。旅のコースにはまったら、これを使うくらいの考えにしないと奈良県の秘境は周れない。奈良県に行くまで交通費を投じるところからならバス代は大きな負担ではない。
こういうとき、鹿児島県伊佐市の自虐的発言を思い出す 「ご当地キャラのイベントやっても客が来ない」それは辿り着けないという意味。九州の場合は元から不便だったから高速道と高速バスが発達してるが、奈良県南部(山間部)の場合は都市の都市の通過地点にもなってないから悲惨。だからって熊野古道や景観が海外にも知れ渡る場所に観光目的な高速道路なんて絶対に作ってはいけない。
客としての意見を離れ、事業者側を考える。
・運賃補助=間接的生活補助金は甘やかし
客として魅力的な地であるならば不便は関係ない。小笠原諸島に行くのに24時間船に乗ったり、屋久島で縄文杉を見るのに何時間も歩くようなものだ。同等なものがあるならばバス運賃の補助ではなく、それを発信すべきなのである。何もなければ運賃を補助したところで何の意味もない。お金を出すだけで済む実に手抜きなお役所仕事であるが、それを病人に例えれば治療しないで延命処置をしているにすぎない。だが、民主主義国であり民間事業では死ぬも生きるも自由で役所の責任ではない。はたしてこれは得策なのだろうか?
どうせ税金を使うなら誘客費よりも地元の教育費に使うべきである(補助金ではなく助成金)。この地域は知らないが私が知る方面で言うならば、「おもてなし」とか言われる一方、他ではまるで駄目なことばかり目立つのだからさ。大手に対抗すべきとしても旅館組合だって観光協会だって真っ当に機能してるとは思えないところばかりだもん。
三人寄れば文殊の知恵?何人寄っても駄目なもんは駄目!
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※ リンク先は時間経過と共に変更または削除される可能性あり
<追記:
奈良交通 路線バス 十津川線(五條バスセンター ~ 十津川温泉) 2020年9月30日で廃線。
よってその区間は八木新宮線(大和八木駅 ~ 新宮駅)の1日3便のみとなった。
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