2016-09-24 Sat
露出を変えて複数枚を撮影するのはフィルム時代には必要な機能で高級機には搭載された。シビアな露出が要求されるポジ(リバーサル)フィルムで即座に確認ができないとなると、それは職業としてやってる人たちでも常識であったと思う。露出計を使ってる環境でも必要だったのでしょう。アシスタントが絞りリングを持って動かしているのを見たことがある。私がいた職場だと中版カメラにインスタントフィルム取り付け、それで確認したのちにフィルムを使っていた。自動的に行う機能が付いたのはカメラの歴史からすればデジタル一眼レフカメラが登場する寸前だった。フォーカスブラケット機能の必要性については10年前に気づいており、カメラの展示会で何度も訴えかけ続けたのに取り合ってもらえなかった。無理なことを要求しているのではなく、機械的に追加するものがあるわけでもないから要望したのに...
合焦してからフォーカス(ピント)を微妙にずらして連写すれば済む話だからソフトウェアで機能を追加するだけでよかった。10年の間に高画素や高速連写は進んだが、ピンボケしてたら何の意味もない。それがわからないんだ。
報道は厳密性は求めてないし、写真家は都合の良い環境を作り出して撮影してるから問題に気づかない。カメラ屋はそっちの言うことなら聞くが、連中が必要としてなければ売り上げの大部分を占める一般はあまり相手にされないのが業界の歴史だ。だから職業人らが都合の良い環境なことは要望として出ないから製品に反映されにくいのである。
それは製品を進化させる点で企業の間違った判断。
微妙なピンボケは自前で買えるようになった100万画素時代ではなんとも思わなかったが、600万画素で違和感が出始め、2005年に1200万画素なカメラを買って大きな問題となった。
私が当時使ってたNikon D2Xと近年「大三元」って呼ばれるようになったレンズ郡は絞り開放だと被写界深度(ピントの合う範囲)が理論値(計算値)より非常に浅かった。特に AF-S VR70-200/2.8G はカミソリの刃って具合だったからだ。そこにオートフォーカスのセンサーが計測する範囲が大きいとなると、範囲内のどこに合うか全くわからない。被写界深度を深くしない限り、万が一くらいの確率でしか成功しなかったからF8くらいに絞らないとピンボケを量産してた。
写真の先生方は人物を横から撮影する場合ピントは手前の目のほうだと能書きを並べられるわけだが、そんなことわかっても、できねぇーもんは、できねーんだよって暴れだしたくなるほど苛立ちがある。だから、フォーカスブラケット機能があったら打率を上げられた。35mmの光学ファインダーでもどこにピントが合っているかは、近眼だからでも年をとったからでもなく人間には判別不能である。可能にするならライブビューで等倍拡大するか大画面のモニターでももってゆくしかない。
(余談だが、だから4Kビデオカメラになって録画中に外部モニターに映すことができないことに激怒してる。それが可能な放送業務用機でも買えと言うのかとね。ハイビジョンのときは可能だったんだから。だから4Kにしたのにピンボケが増えて困った)
失われた10年の途中、GoogleだったかAdobeだったかが複眼カメラによって同時に多数の場所にピントが合う実験を公表した。それに刺激されたのかわからないが、ミラーレス意一眼によって高速連写が可能になったからフォーカスセレクトなる機能を搭載したカメラが登場。
期待するも、ニコン、キャノン、そしてソニーも無視
なぜかキャノンのレンズ一体型カメラには搭載。
手動でやれって!?それが物理的に不可能だから文句をつけているのだ。レンズのフォーカスリングを動かしたらとんでもなくフォーカスが変わってしまうのである。微妙に動かすには機械の手を借りるしかない。
写真用レンズは放送用ビデオカメラのレンズのように回転トルクや移動量を調整することができない。だからって電子式な手動にされても困るのだ。電子式は直感的に操作ができなくなるからビデオカメラでAFを使わず手動で使う派に大不評だった。
昨年末か今年に入ってかやっと「フォーカスブラケット」なる言葉を聞くようになったがオリンパスだ。結局、聞きなれないメーカーと、フォーサーズ(マイクロ・フォーサーズ)規格先導であるオリンパスとパナソニックが導入ってどういうことなんだろう。大型イメージセンサーを使って被写界深度が浅すぎるからこそ必要なのに小型機のメーカーから搭載ってわけがわからないよ。
ファームウェアで十分対応可能でしょ?
APS-C、35mm以上イメージセンサーを使ってるメーカーこそ付けるべきじゃないですか。
二大メーカーが搭載するまで、あと何年待てばよいのか!
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コメント
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