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南伊豆フリー乗車券の利用
 伊東から伊豆急下田まではJRではなく名の通り伊豆急行線のため例え「青春18きっぷ」が使える期間でも「南伊豆フリー乗車券」のほうが安くなる。東京からの場合は伊豆大川より先まで行くなら電車のみでも得する。東京都区内から出発ではなく更に遠方から「休日おでかけパス」併用の場合は小田原発着のを買って使える。

 南伊豆フリー乗車券は東京都区内から6,160円、青春18きっぷは1枚当たり2,370円、伊豆急行線 伊東から伊豆急下田まで片道1,620円のため南伊豆フリー乗車券のほうが550円高くなるが、伊豆急行で途中下車、もしくは、そこそこの区間でバス往復乗車すれば逆転するからどう使うか次第。

以前より使ってて、この切符の利点と難点はいくつかある...
<追記: 2021年6月30日で「南伊豆フリー乗車券」廃止>

南伊豆フリー乗車券の○[Good]と×[Bad]

○ 南伊豆フリーなら別途特急券だけ買えば乗れる (青春18きっぷでは特急に乗れない)

× 東海道新幹線には乗れない (これはJR東日本の企画切符で東海道新幹線はJR東海だから当然)

○ 伊豆急行線普通電車が期間内(2日間)乗り降り自由

× JR区間は途中下車できない  (熱海も小田原も寄れない) <要望>

○ 通年利用が可能  (中には土日しか使えない切符もあるから)

× 前日までに購入しなければならない  (なんの問題があるのか当日に買えない) <要改善>

○ 河津や下田からの東海バス指定区間が乗り降り自由

× 南伊豆だからかフリー区間の伊東どころか伊豆高原ですらバスは含まれない



 周遊区間によっては「伊豆ドリームパス」のほうがお得。特に静岡から西は「南伊豆フリー乗車券」に類するお得な切符が見当たらないため、宿泊して電車と路線バス周遊するなら「伊豆ドリームパス」のほうが断然お得。「伊豆ドリームパス」は他所で事前に購入できない(必ず引き替えが必要)。清水港からフェリーなら引き替えは乗り換える場所だが、熱海からの場合は伊東駅でわざわざ降りて引き替える必要がある。

 「南伊豆フリー乗車券」の路線バスの範囲は、みなみの桜と菜の花まつり、河津桜まつり・河津七滝など今回のコースには最高の範囲である。範囲が広いのは良いことではあるが、特に伊浜なんて通学時間帯しか走ってない悲劇的なローカル路線が含まれて意味があるかだ。それで料金が変わらなければ関知しない。
 「休日おでかけパス」との接続や小田急線利用では小田原からの「南伊豆フリー乗車券」がある。「休日おでかけパス」は当日限りなので日帰りと限定的だが、小田急線からの利用者は一定数いそうだ。



 東海道新幹線が使えないのはJR東海とJR東日本という隔たりによるもので当然だが、過去には新幹線を含む割引切符が存在した。JR東海は伊豆へは関心がないのはJR東日本が支配しているってよりも利用者が少ないからでしょう。名古屋や大阪から来る人は大変。だからって大手旅行会社が旅行計画を組むと安上がりにしたくても安宿なんて確保してない。普通に買うより安くなってもケチ旅行には向いてない。

 そんなことで逆説的に東京から名古屋、京都、大阪のほうが楽なのだからJR東海が力を入れるはずがない。個人的に熱海へ行くのが劇的に増えてから伊豆半島へ入り込む回数も増えたわけだが、金銭的に下がったとしても時間的と精神的に名古屋や大阪(新大阪)に向かっていたときのほうが楽だった。東京~伊豆急下田(特急)と東京~新大阪(新幹線)の所要時間はほぼ同じであり、南伊豆への特急は朝と夕方以降は走っておらず1日に多くて数本だが新幹線なら早朝から夜まで1時間に数本と多いから使い勝手が良い。


 伊豆の電車の問題はJR伊東線と伊豆急行線にあると言っても過言ではないでしょう。単線であることが主な理由と思われるが、熱海~伊豆急下田で普通電車と特急の差は10分ちょっとくらいしかない。駅に止まらない程度しか時間を稼げないのである。だから普通料金で乗れるリゾート21を推した。

 伊豆半島へは観光路線でありながら、と言うか、観光路線だからと言うべきか、特急電車の運行本数が少なすぎる。少なくて不便だと感じてる房総半島より少ない。房総半島の場合は路線が分かれてるがそれなりに本数もあり、高速バスもある。違いの予測は簡単で、伊豆半島へは観光が大部分であり、房総半島は通勤・通学の利用がほとんどであると切符販売と運行時刻から読み取れる。踊り子の特急券の回数券なんて発売されてないが房総半島や常磐線特急の回数券は発売されている。内房線特急なんて朝に東京へ出てきて、夕方以降に帰るための便しか運行されていない。



 足元を見られてるという言葉が適切かどうかだが、使いたくなくても特急を使うことが多々ある。それは運行時刻で特急が絡む時間帯だと普通電車が減ってしまう。特に観光シーズンになると普通電車が1時間近くない時間帯があった。普通電車に乗るために特急をやりすごすと最終的に東京着が1時間以上も遅くなってしまうのである。スーパービュー踊り子系の特急は新幹線並みに料金が高いと称したことがあるが、先に書いたよう「南伊豆フリー乗車券」では東海道新幹線の乗車券として適用されないため「仕方ない」という残念な気持ちで特急踊り子を使うことになる。

 なぜそれを持ち出したかと言うと、知る人ぞ知る特急移動ならお得な「伊豆フリーQきっぷ」という廃止されてしまった切符があったから。東京都区内から13,190円で熱海~三島まで東海道新幹線で往復、伊東線、駿豆線、伊豆急行線、伊豆半島のバス全線がフリー区間で4日間有効。使えないのは年末年始、GW、お盆の時期のみだった。今回、日帰りで片道のみ特急な通常だと11,633円の行程だったから往復なら日帰りでも損しない切符だった。泊まって移動すればかなりお得だったのに別会社が絡みすぎていたのか始末されてしまった。同時期に廃止された切符(JR東海「こだま&伊豆フリーきっぷ」)から推測すればJR東海が原因だろう。




(参考) * スーパービュー踊り子は全席指定
・東京→[SV踊り子]→熱海 乗車券1940 スーパービュー踊り子 指定席特急券2140 = 4080円
・東京→[新幹線]→熱海 乗車券1940 指定席特急券2150・自由席特急券1730 = 指4090/自3670円
10円しか違わない。始発駅でもあるし東京から自由席なら新幹線のほうが安い。

・東京→[踊り子]→伊豆急下田 = SV指6,640円/指6280円/自5,640円
・東京→[新幹線]→熱海→[普通]→伊豆急下田 = 全行程自由席5,620円
・東京→[新幹線]→熱海→[SV踊り子]→伊豆急下田 = SV指7280円/新幹線のみ自由席6,760円
 * 熱海~伊東特急料金 乗り継ぎ割引適用済

南伊豆フリー乗車券を使用した時の東京~伊豆急下田往復料金:
スーパービュー踊り子指定11,660円/踊り子指定10,900円/踊り子自由9,660円/普通[鈍行]6,160円



 それほど得にならないのに「南伊豆フリー乗車券」で縛られるなら別の割引との組み合わせや、JRは普通に買って熱海や小田原など立ち寄ることを考えたほうがよいし、特急踊り子は東京や新宿などへ乗り換えずに済むが、東京~熱海は30分に1本だろうと新幹線を使いたい。伊東線の本数の少なさから新幹線併用で乗り継ぎが悪くても20~30分、最大1時間は短縮できる。伊豆急を普通電車にする損失は15分くらい。特急は滅多に走ってないので丁度良い時間帯以外では差は掻き消される。

 どう選ぼうとも東京からなら数百円から何千円とか大きな差はでないため、私は運行時刻からする時間効率を優先して予定を決めている。もちろん伊豆急は数分くらい遅れることは考慮に入れ、天候不良にも弱い。強風だと小田原~熱海間でJR東海道線在来線も止まることが多いが新幹線はトンネルばかりのため止まる可能性は低い。
 そういう理由で小田原から熱海で新幹線に3~4度乗り換えたことがあるが、青春18きっぷを使ってる時ばかりに起きててきたため大幅赤字に転落する。滅多に使わないから「南伊豆フリー乗車券」の場合に天候不良になったことはないが、使用ルールで途中下車が認められてないため途中の料金を払ってもダメでしょうね。熱海→小田原を新幹線ワープではなく前途無効、帰りに熱海で利用を止めるって方法ならありだ。翌日仕事でもたもたしてられないなど理由はある。

 東京から北海道なら新幹線で行くところじゃないが、北海道の人にしてみると新幹線ってのは冬場にちょくちょく止まる飛行機の代替路線として熱望なのだと言う。だから早く札幌までつながって欲しいのだと。幼少期の記憶で何度か国道135号線の通行止めに巻き込まれたことがある。場所によっては伊豆スカイラインや中伊豆へ移動することができるが、伊豆急行線は代替路線がないところが予定を組む上で怖いところではある。伊豆縦貫道を作るって聞いたときに並走で駿豆線が河津か下田までつながったら良いなと勝手な都合を思ってみたが、運営面で考えると利用者がいなくて無理だとわかってしまう。



<総論>

 過去より周遊券からフリーパス類を使ってきた総論からすると「南伊豆フリー乗車券」は競合相手がいないことからか知らないが劇的にお得にはならない。2011年に消し去られた JR東日本「踊り子箱根フリーきっぷ」、JR東海「南紀・熊野古道フリーきっぷ中辺路コース」では切符の倍の価値を見いだしていたから絶対的だったが、目的地によって南伊豆フリー乗車券は別の切符が候補にのぼるのであった。

<追記: 2021年6月30日で「南伊豆フリー乗車券」廃止>
| emisaki | 2017-02-16 Thu 21:21 | comments (0) | 交通::情報・考察・計画 |
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