2017-07-20 Thu
ソニーのEマウントレンズを試してきたのだが、SELP28135G も SELP18110G にしてもピントじゃなく作りに大ボケがあったのには情けなくなってしまった。そういえば放送用レンズは昔からキヤノンやフジノンだからソニーもついにパナソニックの開発者みたいに使いもしない奴らが作ってるのかもしれない。じゃなかったら、そんなボケは かまさない...フルサイズ用はズーム比が低いためかAPS-C用のほうがズーム比も高く使い勝手(操作性)も少し良いが値段も高い(44.4万円)。それらと比べるにあたって1/2~1/3インチイメージセンサーな業務用クラスの13~18倍HDズームレンズで40~100万円と比べてしまうのだ。業務用と民生品という市場の違いからすれば値段差はないと考えるべきものである。
もちろん駆動させてるレンズの大きさが違うのはわかってるが、業務用とて放送用と遜色のないレンズの操作が可能である。そこからだと SELP18110G を使った動画撮影は期待外れだった。イメージセンサーの大きさとレンズの質から放送用ビデオカメラとレンズの組み合わせより画質が良いことを除くと、撮影するという点ではつらいものがある。いままで写真用のレンズを使って動画撮影をしてきたのから比べると桁違いによくはなっているので、画質では文句は付けられないが、
なぜ、ここまで作り込んで、そこの手を抜くんだ!と思わせてくれる部分があった。
・ズーム
使わせてもらってすぐに気づいたのが電動ズーム。ハンディカムのごとく回転方向で制御するが、これがどうにも1段か2段階くらいの速度にしか感じない。
それに速度が遅い!
カメラボディー側に設定なし。そうなるとモーターのパワー不足が思いつく。だったら業務用ズームレンズのごとく右側に持ち手を付けてズームレバーと静音モーターを内蔵して外から駆動させるか電力を供給する方法もあったのではないかと思う。動画なんだから右手はあいている。持ってるついでに何か操作したい。
リモート端子による外部リモコンもズーム速度は2段階しかない
だからって試したレンズで2段階の速度調整が可能かは不明だった。業務用で今でも使われているLANCリモコンだと多段に変えられるが、かなり前からソニーはLANCを捨ててるし、現状のリモコンに装備されてないだけなのか機械的に可変速度の電動ズームが不可能なのかも不明。一番気になるところってのが説明書にすら書いてない。
・フォーカス
回転方向の反転はカメラボディー側のメニューによって行える。絞りのところでも記述するが、この点は動画用レンズなので通常のソニーのレンズとは逆になってキヤノンと同じ方向になってる。そのために反転機能が用意されていると思われるが、物理的に回転方向が決まってるのは当たり前だが変更できない。
長年、ニコンとキヤノンを使ってきた側から言うと両社とも私が考える一貫性はない。左手でレンズを掴んで「寄せる」という点でズームではキヤノンなのだが、フォーカスではニコンなのだ。望遠側を使うときは離れている場所を撮るという決めごとから回転方向を決めたのだと推測される。
オートフォーカスなら問題ないが、手動のときは何年使っていても間違える。広角、望遠、主に動画用とメーカーが異なり、素早くカメラを取り替えて撮影するから若い頃からでも間違えてた。
ビデオカメラはズームには Tele / Wide とか書いてあってもフォーカスには書いてないから張り紙をしていた。メーカーによって違うから困る。ハンディカムは時計回りが近い距離で反時計回りが遠くで業界標準。
写真機としてミノルタがニコンと同じ回転方向なのでミノルタを引き受けたソニーも合わせたのだろうが、ソニー内部ではバラバラで困ったもんだろうな。メカ直結ではなく電子式ならどうとでもなるのだが、私としては物理的に距離計などと連動しているほうが使いやすい。電子式は回転リングは小僧がバイト代を貯めて買ったDCR-VX1000から嫌気が差している。機能を切り替えられること以外に利点なし。
・絞り
絞りクリックのあり、なしが切り替えられる。問題はそこじゃなくオートとマニュアルの仕切りがないってアホか!って思った。ビデオの普通としてオートアイリスは別にボタンがあるわけだが、これらのレンズは絞りリングの開放より前にある。だからどこからでもオートとはならないようだ。カメラ側の設定で可能と思えないのは他のメーカーでもレンズで A にしておかないと自動にはできないから。
動画ならクリックなしだから止まらないようにしているのとは別、A(オート)モードへ入れるのに引っかかりがないのである。動画撮影しているなら、いちいち絞りリングを F何々 なんて見てるわけがないので回しているとオートになっちゃうわけ。普通はビューファインダーで明るさを確認しているわけだからレンズなんて見ない。
もしかすると、そこの利点は絞り開放として暗すぎたときにオートに入れることによってゲインアップさせることを考えたのかもしれない。だから普通の写真機のレンズだと最小絞りの先にオートがあるものを最大絞り(開放)の先という真逆なことをしたのかもしれないということだ。そう考えてみたいものの、デジタルカメラには増感だけじゃなく電子シャッタースピードでの調整もある。暗いじゃなく明るすぎる状況もある。
絞りリングが付いている場合はF16などの最小絞りの先に「A」オート設定がある。絞りを開こうとする方向の先にオートがあるのは手動の観点からすると大きなお世話。オートならどこからでもオートに入るべきで、手動に切り替えたとき設定してある絞り値になってくれたほうが嬉しい。動画の場合は最小絞りでも最大絞りの先でも不便。
ハンディカムがマニュアルモードを搭載しておらず、何かを一つ手動で決めると他の全てがオートになる「○○優先」モードしか搭載されてなくて困ったように、構成機器の値段からは考えられない利用者を素人扱いするのが民生機。民生機であってもビデオカメラと比べると写真機(デジタルカメラ)の上位機種であるほど素人扱いの傾向がなくなるのは写真機にはアマチュアとプロの機材の差がない。ビデオ機器は民生機/業務用/放送用と明確なのでソニーは民生機である以上はマニアの使い勝手より素人を捨てきれず低く合わせる傾向がある。
民生機だと、
「使えない人には少し使いやすく、そのかわり使える人には大幅に使いにくく」
という風潮があるのだが、使う側の能力の線引き基準が不明瞭なため、どこかしら素人からプロ級マニアまで一緒くたなのが民生機。だから値段が高くて複雑に見える機種でも民生機であれば素人水準が組み込まれてしまう。今回調べたレンズはマシなほうであったが、あまりお金をかけなくても改善できたところは作る前に気づいて欲しかったな。
どうせ動画用なんだから徹底的に動画用にすべき。4Kまでなら4K画質までで動画向けなレンズであるべきだった。α7R IIの4200万画素だと画角が異なるが8Kになってしまう。そんな動画は当面一般市場には出ない。やっと4KでH.265/HEVCのリアルタイムエンコーダーが登場したがパソコンのCPU的な状態なので、まだまだカムコーダーに内蔵できる代物ではない。ハイビジョンから4Kハンディカムを使ってきてわかるように H.264 で高発熱状態。パソコンのCPUがマルチコアに移っているように処理能力の向上は限界に達して鈍化している。
思い込まされてるよりも長い年月で無理なのに家電業界が売るために非現実的な画素数戦争を繰り広げている。デジタル一眼カメラ動画なら業務用どころか放送用より画質が上であるはずなので現実的にハイビジョン画質で十分であるのだから割り切ったレンズでもいいのにな。いくら解像度が高いのでもカメラワークが酷い映像にしかならないなら使いたくないし、そんな映像は見たくもない。
撮ってて思ったように動いてくれないのは腕じゃなく機械のせいなのに自己嫌悪に陥る。
新しい用途の調査にはまだまだ時間がある。メーカーにも捕らわれない。
フォーサーズだとサードパーティー製が多いからパナソニック周辺も調べないと。
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