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キヤノンGX10発表から気になるソニーの動向(1)
iVIS GX10 267,840円(直販限定)
業務用モデルは XF400が35万円前後/XF405(3G-SDI出力付)43万円前後

 大きな市場向けとしてキヤノンの4K対応機は遅すぎた感じがしたが出てきた製品を見ると、いわゆる大衆向けはハイビジョン、マニアと業務向けが4K対応と順当な造りになってる。今のソニーは大衆を気にするあまりに自動化の呪縛に取り憑かれて手動操作がままならない。FDR-AX1を除く小型機として真っ先に登場したFDR-AX100すら誰を相手にしたのか中途半端とソニーの精神は風前の灯火となっている。放送用に食い込んだパナソニックも上と下でマニア層の製品がない状態。ソニーは4Kの初号機から4年、ハンディカムから2年以上経過しメジャーチェンジの時期に達しているから2018年が気になるところ...

 iVIS GX10、業務用XF400、XF405の3機種すべてベースは同じであり業務用モデルの大きな違いは前モデルと同様にXLRマイクアダプター、XF405は加えて3G-SDI出力があるかどうかで大きな値段差。

 SDIってもHD-SDIが1080/60i, 3G-SDIで1080/60pであるため 4Kの2160/30pは6G-SDIが必要で2160/60pであると12G-SDIと、もはや放送局レベルになってしまう。裏を返せば4K対応のSDIは不要だが3G-SDIだけで別のモデルを用意するほど買う人がいるってことなんでしょう。

 HDMIであると2160/30(29.97)pまで対応しているため外部レコーダーを使う場合にはHDMIを使うことになる。業務利用者の多くは音声でも使われてるXLR型を抜けない端子くらいにしか思ってないためHDMIは嫌われるだろうがBNC端子なSDIが3G(3Gbps)だから4K運用はできないのだ。Blackmagic Video Assist 4Kは6G-SDI対応だから8万円も高いなら付けるべきだよ。50万円クラスの業務用でも3G-SDIですけど、小型機ならこそSDI接続でカメラ運用じゃなく外部録画を考えばってこと。

 HDMIを使うにおいても4:2:2 10bitはHDまでで、4Kだと4:2:2 8bitであり本体で録画中は4:2:0 8bitだと書いてある。このあたりは既存の機器と似たような制約だが、だとするとSDI接続でスタジオカメラ運用なればSDI自体不要ってことでしょう。サブカメラ運用なら業務用途でも撮影する上でなんら違いがない民生機GX10で良い。そういう用途なら4チャンネル録音もいらないだろうし。

 出力関係は本体で録画する場合には何の問題もなく、屋外使用なら4K外部モニターを使うとも考えられずHD出力してくれればよい。民生用としても外部モニターが必要なのに全く出力してくれないカメラに困ってるくらいだから出てくれるだけでOK。


 4Kにおいては録画モード60p 150Mbpsしかなく、30pやデータレートの選択肢がない。フルHDも35Mbpsと17Mbpsだが60p/30pってことで選択肢がないんじゃないかと思ってしまうがどうだろう(書いてないんだよ)。メーカーは異なるが2年4Kと付き合ってきてデータレートが大きいのは搭載プロセッサー的にリアルタイム圧縮では高画質を維持できないため計算量を減らした結果だと思ってる。MPEG-2時代と処理量の桁が違うからね。


 G10あたりから続いてる“なまこ型”っていうか直方体は業務用を含め決して持ちやすくはない。デジイチ動画もだが高額な用具を使わせるなら最初からなんとかして欲しいと常々思ってきたが小さくまとまりたいようだ。

 ショルダータイプじゃなくなった業務用においては安定性のため「肩と腕の関節あたりに押し付ける」という新しいスタイルを生んだが、手持ちスタイルであると腕のひじの曲がりが180度に近くなるほど楽で、前へ延ばして角度が減るほど持つのが辛くなる。

 学生時代に使ったソニーの8ミリビデオがどんどん長細くなってきてCCD-V800あたりでバカヤロー!って思ったことがある。あの当時は横開きの液晶モニターなんてないから目の先に40cmもカメラが飛び出す撮影スタイル。重心が体から離れるほど力が必要となり安定して持つことができない。

 キヤノンで言うなら HDV方式 iVIS HV10から使ったことがあるがHV10は長方形の縦長でHV20から今のような形状に戻ってしまった。撮影時の安定性はHV10のほうが桁違いに上。両方持ち続けてみればわかる。HV10は脇を締めて持てたが、HV20やら今のビデオカメラは脇を締めて持ったら画面が下がりすぎて“ながらスマホ”で迷惑な連中と同じようなスタイルになる。

 それがわかってるから、その昔、ビデオサロンだったが松下の「ブレンビー」のダジャレから手ぶれ補正機能が付いてなくてもブレにくくする「ぶれん棒」って三脚座に棒を付けて持つ方法が提唱され、以後、製品として存在してきたし、テレビで芸能人に持たせて撮らせるときによく使われている。目線に近づけることによって脇を締めて持てるからブレにくくなる。

そのように外部で対処しなければならないのが残念だという話。
> SONY FDR-AXP35 付属バッテリー付き重量 約721g
> SONY FDR-AX55 付属バッテリー付き重量 約625g
> SONY FDR-AX700 付属バッテリー付き重量 約1080g <追記>
> Canon iVIS GX10 付属バッテリー付き重量 約1355g
この違いは大きいが、軽くても持ちにくければ意味がないため重さだけでは語れない。

 いま使ってるソニーの FDR-AXP35 は後発モデルがAF早いって謳ってるようにAFが遅くてしょうがないのでキヤノンGX10はデュアルピクセルCMOS AFと聞いて期待できる。更にハイビジョンカメラ時代からあることなのだが持てないくらいに本体の金属部が熱くなるためAXP35も4K画像の処理からすごく熱くなる。GX10は空冷ファン内蔵だとか。


 業務用モデル XF400/XF405はXF105/XF205から比べると小さくなったわけだが、XF305が肩当てで持つ系列であるからXF505とか出てくるってことなんだろうか。それとも競合製品が多くて売れない系列なのか? そのあたりの商品を考えるとXF405の値段は非常に高く感じるのであった。

 先に仕様書を見たから、どっかの記事で業務用はMXFって読んだのにMP4しかないじゃんって思ってたら2018年上期にアップデートで対応と書いてあった。ハイビジョンTV放送が採用しちゃった負の遺産インターレース方式も同時対応でした。だから民生機のGX10にも1080/60(59.94)iがない。

キヤノン製品ビデオカメラGX10


 ソニーは FDR-AX100, AX40, AX55 を期間中(2017年8月25日~2017年10月9日)に購入で私がもらったのと同じデータ保存用1TBハードディスクと接続ケーブルのプレゼントをやってる。私がもらった時点で市場として外付け1TBは終わってるようなものだったから、きっと処分価格で調達できてるんだろう。はっきり言ってカメラから転送なんて時間がかかりすぎて使う気になれませんでした。SDカードに記録してカードリーダー経由のUSB3.0でPCのハードディスクに転送したほうがいい。どうせAC電源なきゃ使えないんだからさ。バッテリーかSDカードをプレゼントしたほうが有意義。
ということで販売促進活動をしてるってことは、それらの製品に変わるものは来年には出るね。

やはり動向が気になる。1月のCESだ。
いろんな意味で愛しの1月7日は復活するのだろうか?

つづく
| emisaki | 2017-09-14 Thu 19:37 | comments (0) | 映像音声::動画(ビデオ機器) |
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