2018-05-13 Sun
複数の鉄道系ニュースを読んでいたらスーパービュー踊り子の引退で運行が半減する事実が浮かび上がる。それは引退するスーパービュー踊り子が10両4編成(1編成で定員499名=座席数)であるのに対し、替わりに導入される観光車両が8両2編成(1編成で定員164名)であるからだ...・特急踊り子の運行ダイヤは年寄り向き?
朝と夕に走らせられない理由はわかってる。都心部を出発なわけで、ラッシュアワーの過密ダイヤに運行する余裕がない。土日でも乗客はものすごい。先の観光特急列車が小田原発や横浜発、2020年の伊豆観光特急列車はスーパービュー踊り子と入れ替えなければ東京(新宿)から運行できる余裕がないことを示している。
いくら曜日に関わらない年寄り向きに高齢化社会だと言っても閑散期には閑古鳥が鳴き、繁忙期だとフル稼働になる。そんなふうに伊豆への特急は季節(運行日指定)列車ばかり。通常の特急踊り子を含めて編成の少なさをカバーするのに東京から見て午前中に下田・修善寺へ向かい、午後になると東京方面へ戻るダイヤになってる。だから観光地を移動する場合には在来線を使うこととなる。
先日にJR東日本が大宮6時発の臨時の東北新幹線を運行すると発表したが、東京発着より現地に長く滞在できるを理由にしていた。特急踊り子の運行はそれを許さない。行きは遅めの午前中、帰りは早めの午後だけとなっている。
現時点で伊豆急下田の特急踊り子の最終は平日16:07、土休日16:50である。西伊豆が夕日って宣伝してるけど、夕日を見てバスで電車の駅に向かって特急電車はもうないんだよ。また、疲れるから金曜夜~土曜いっぱいというイマドキな予定を組もうなら普通電車を使うことになる。
それでか知らぬが既にJRの金儲け策は成功しているのが普通車のグリーン席である。伊東行きなんて滅多にないから東京~熱海とか金曜だと1050円だったか意外と高い料金を払う。
松竹梅としてスーパービュー踊り子/普通の踊り子/普通車グリーンがあるが、私は朝から晩まで30分に1本ある東海道新幹線利用を松+茨コースとして加えたい。静岡県でもある熱海~伊東がもしJR東海(もしくは伊豆急)だったら新幹線の割引プランは継続してただろうな。
・乗客数は減っているのか
読み取れるのが東・南伊豆の乗客数の減少と分散(競争)から旅客数で収益が無理だから単価アップを図るというJR東日本の事業計画。小田原からである伊豆クレイル、横浜から東急のと競争激化。当初の需要はあったとしても全国的な真似事電車に乗る人が常にいるのか心配になる。失敗の代償は我々(客)に転嫁するに決まってるからね。
スーパービュー踊り子は新幹線並み特急料金が高いのにそれほどでもないから引退して問題ない。通常の特急踊り子は車両がボロいし脚のやり場のない座席に特急料金の価値がないと文句付けてきたが、どうやら中央本線の お下がり が導入されるようだ。編成が減るのをそれでカバーするのか、それとも客が減って運行自体を減らすのか?
日本の人口減で客が減ってるとは思えるが客が減ってるとは思えないのが、伊豆への路線の強気対応である。JRが本気で不採算と見たら平日との落差が激しいから観光シーズンと土日休しか走らなくするはず。既に定期ダイヤを激減させて季節列車ばかりだから、その流れではある。
強気と言えば、熱海までは新幹線と競合してるのに競争じゃなく談合してるかのよう双方が割引切符を消し去った。残ってるのも使い物にならないから事実上はないも同じ。メディア戦略によって若年層客が激増した熱海くらいまで普通電車と考える人が多いのも、そういう理由がありそう。
競合相手で私がJR東海の経営者だったら、こだまの乗客も少ないし小田原・熱海・三島と非効率を逆手にとって「伊豆・箱根も新幹線で」ってキャンペーンを張りますよ。小田急の運賃の安さに勝てるわけがないが箱根に入れば劇的に高くなるわけだし、ロマンスカーは遅いし、静岡・名古屋方面からもある。JR東を含めて客の身にはならない形だけのキャンペーンが得意なのがJRである。「そうだ京都へ行こう」などピンポイントで有名な宣伝を除くと実は宣伝が下手くそなのだ。
・高齢者が国民年金だけでも、たまに行ける旅
倒産したホテルを居抜き物件で運営してるいくつかは関東地方からバスの往復まで含めている場合もあり、その値段の安さをみると普通の特急踊り子すらお断りの値段になる。お得なきっぷとして複数あったのも今では「南伊豆フリー乗車券」だけを残すのみ。JRは特急踊り子に乗れる周遊券を10年くらい前だったか廃止してる(箱根版は2011年に廃止)。
外国人観光客のほうがお金にシビアであり、別路線だがガラガラの成田エクスプレスを見てベビーカー以上に邪魔な巨大バッグで普通電車(総武快速)に乗り込む外国人を多々見るようになった(一般客にとって超迷惑)。
同時に成田空港から(まで)の高速バスもすごい混雑だ。よく前を通る東京駅八重洲口の京成バス乗り場は客が増えすぎて待つ場所に屋根が作られてしまって通るたびに行列である。成田エクスプレス3千円、バス千円と大違いだから「N’EX往復きっぷ」の効力も小さい。皮肉にも高速バスも成田空港への特急を持つJRと京成の運行だ。
話が脱線したが、古くはバブル崩壊から今でもホテル旅館の経営の駄目さから自主再建できず倒産や民事再生にて少数のグループ企業経営となりつつあると、近隣が同じ経営となり、ホテル経営側による自主的なバス運行が容易くなる。行って帰るだけじゃなく観光オプションも付ければ更に利用しやすい。旅行会社を通さないから総合的に割安になってる。
伊豆ではなく熱川が厳しいのだと思うが、おおるりグループが3軒運営してたが2018年3月末で熱川グランドホテルが閉館し2軒となった。もとから居抜き物件の格安提供だから立て替えなどできるはずもなく老朽化ならそのように言うが諸般の事情となっていたから3軒も埋められるほど客がいないのだろう。沿線も宿としてはかなりヤバイわけ。
伊豆クレイルができたときにJRの意図することは読めてたが、今はもう伊豆が宿泊地という考えはかなり下がったのである。そうなった場合、観光客の数を減らさないためには交通の便をよくするしかない。伊豆縦貫道に期待するも、主要路線は国道135号線(東伊豆)であり新しいトンネルやら崖崩れの対策などされただけで私が小さい頃から変わってないに等しいのに電車のほうも単線。
2020年に導入される観光特急はスーパービュー踊り子の人的 輸送能力 6分の1(同2編成では3分の1)に落ちるわけだから JR東日本は多く客を運ぶ必要がないのだと答えを出したわけで、観光客が増える繁忙期にはどうするのだろうか?
<追記: 2021年6月30日で「南伊豆フリー乗車券」廃止>
| emisaki | 2018-05-13 Sun 21:56 | 交通::情報・考察・計画 |
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