2018-05-25 Fri
エスパルスドリームフェリーが2019年3月末で駿河湾フェリー事業から撤退すると静岡放送が報じた。運営は異なるが既に沼津~戸田~土肥の定期便が廃線となっていた。運行時刻からしても通勤通学に使ってる人がいるとは思えないし観光の交通には影響はないだろう。報道によると10年間も赤字続きとのことで離島でもなく陸路があるからもっと決断を早くすべきだった。もちろん修善寺周りより清水港~土肥港だけならフェリー旅客料金のほうが安いが、その航路(移動先)である必要性に疑問...現実から目をそらすのも日本人の悪い癖である。いままで日本各地で電車廃線が報道されてきたが、そうさせたのは車社会に溺れたのが原因であり、てめえら原因である住民にとやかく言う資格はない!
秘境駅を使う人を探す番組を見て感じてきたのは、いつでも迷惑を被るのは弱者なのである。どこまで自己中なのかは田舎ほど思う。もっと田舎にて「電車なんて使わない」と“なんて”とまで言い放つのを何度も聞いてきたが、公共交通の消滅が加速する車社会へ転落しやすい地域にして、西伊豆の路線バス運行本数は多い。他の地域で思い知ってきた側として、修善寺~土肥~松崎なる西伊豆の主要路線ではないローカル線は廃線でも不思議じゃない。戸田から沼津の間とだな。
そんなことから観光客次第で死ぬか生きるかの路線になっている。繰り返すが船の運航時刻からして通勤や通学には使えず、観光客として駿河湾フェリーに何のメリットがあるかだ。
わざわざ清水港まで行き、土肥港で降りてどうするか? 客目線なら答えは簡単だ。名古屋から観光だったとして、静岡で新幹線を降りて在来線に乗り換え清水へ行く。バスで港まで行き、1日4便の船に乗り土肥港へ。土肥が目的地じゃなかったら更に路線バス乗り継ぎ。であると、名古屋→三島→修善寺で構わないと考えるのが客である。車社会の名古屋から東名高速を走っても同様なことが言える。清水に行く理由として三保の松原でも寄り道しますか。
フェリー客を増やす目的として「伊豆ドリームパス」という割引券が登場したわけだが、宣伝もないから知られもせず、当初半額、通常価格に戻れば割高、新価格へと移り変わったが、新価格でも実に使いにくいものだった。駿河湾フェリーありきの割引切符のため運休になると販売されない。その切符はフェリーを使わなくても得な設定なので、運休時に売らないってことは損失補填に使うのではなく駿河湾フェリーを使わせるためにあると読めた。駿河湾フェリーが片道分であったから帰りは普通に払わせる仕組み。
そこから勘ぐれたのは、短期的収益は関係なく乗客がいる既成事実を作ることで役所から公的資金(助成金、補助金)を得ることができたのかもしれない? そうだと考えると、客がいない→公的資金カット→廃業は当然の結果で、生活に必要な路線ではないと判断したことになる。これは推論であって公的資金が投入されていたのかは知らない。それなかったら大赤字と読めるがゆえの推論。
さて、買い物難民となるような高齢者のことを考えると、ちょっと歩くのも大変、荷物が持てないとなれば路線バスも船も問題は同じなのである。動ける高齢者ならばブツブツ言いながらも路線バスで病院やら買い物に出かけているのが都会だろうと田舎だろうと日常の光景である。修善寺などの病院ではなく清水ってことも考えられるが、いたとしてかなりの少数派となる。それを救う必要性があるなら公的資金を投入して存続を模索すればよい話だが、そこまでの必要性が考えられない。
既に都心で答えは出ており、河川と江戸時代の水路を使った水上定期路線が当初はあったがバス電車と比べ運賃が高く、距離は短く見えながら所要時間が遅いという無意味で完全に観光船のみに変わってしまったのだ。東京の人口にして定期交通としては閑古鳥だったのだ。まだ平日定期便が運行してた当時、展示会の帰りに東京ビッグサイト(有明)→浅草なんて何度も使ったが、都会の雑踏から逃れられ川から普段は見えないから乗っていたにすぎず、自動運転の「ゆりかもめ」で新橋へ行き、地下鉄で浅草へ向かったほうが時間も運賃も半分だった。
駿河湾フェリーは観光客が要の路線であって観光客が不要と判断して利用しなくなったのであれば廃止は必然。個人的に旅行客として考えると遊覧船ならば意味もあるが、移動手段(交通)として考えると必要性はないのではないか。
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