2018-11-15 Thu
自衛隊演習で迫撃弾が大きくそれて一般国道ほうに落下した影響で自動車の窓ガラスが割れたと報じられてから表現の違いが気になった。一般的には「着弾」と言われてきたが「弾着」という言葉が出た。例によってコメンテーターが誰もいないときに予習が完璧すぎて専門家ヅラしてきた弁護士の発言。だったら「書類送検」じゃなく「書類送致」だろうがって嫌味を言いたくなる。複数のテレビニュース、新聞では砲弾落下ともあるが全てが一般的な「着弾」、「着弾した」という言葉を使っていた。国語事典(大辞林)において弾着は「発射した弾丸が落下到達すること。着弾。」と文末に着弾って書いてあることは、ほぼ同じ意味であることを示しており、今度は着弾を調べると「発射された弾丸がある地点に達すること。また、その弾丸。」となっていて、なんだんかすっきりしない。
これは盛土「もちつち」「もりど(建築用語)」みたいなものだな。希にあるが基本的には音訓は混在させないから頭脳労働じゃない業界からの発生には納得。
ネットで調べると、どうやら軍隊用語らしく、艦長の発音が浣腸にしか聞こえなかったり、さげん(左舷)のはずが、ひだりげんと言ったりする事で何か一般とは違う意味がある。そうだとすると何ら説明もなく「弾着」などとテレビで使うことは間違っているでしょう。即座に調べたことを知ったかぶって言うのはあの弁護士が得意とすることでした。毎度のことなんだが世間に伝わるように説明や話しているのではなく、テレビを通じて自分の知識を誇示しているだけにしか見えない。この点だけでレギュラー出演者としては失格。たぶん一夜漬けが多いから専門家が来てると墓穴を掘るので黙るようになった。ちゃんと説明できてるのは法律相談コーナーだけだ。
「論理」と「理論」ってのは、どちらが先に立つかで異なる意味を持っているのだが、「着弾」と「弾着」ってのは納得できず辞書の説明も曖昧な部分がある。その筋で調べると「弾着」ってのは事後を意味する軍事用語だとすると、予測するのは「着弾地点」であって、実際に落ちたのが「弾着地点」ってことになる。しかし「理論」の例で言うなら先に着いてる「着弾」のほうが既に落ちていることになるから日本語としてはおかしい。
視聴者は日本語として変な専門用語が聞きたいのではなく、この事件で専門家の意見のほうが聞きたい。当初は専門家が来てるのにゴチャゴチャ話に割って入ってたから改善は確かだが、今でも専門家が来てない状態では一夜漬けが見え見え。
通常の議論においても番組コメンテーターによくみられる論理と理論の違いにも注意したい。
| emisaki | 2018-11-15 Thu 12:45 | 大衆媒体::テレビ・映像 |
この記事に対するコメントの受付は終了しています。
コメント
先頭へ △