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某ホテルの業績を調べてみた
 上場してないから情報に欠けるが遡れるだけの報告書からも典型的な家族経営&お友達経営が見えてくる。上場してるという仮定の厳しい目線で見ると、歴史の区切りごとに失策が見えた。それは周辺の宿泊施設も同様で昭和時代に儲けたお金の使い方を知らぬ個人経営が実に多かったことを示している。棚ボタを自分の功績だと思ってそうな人たちばかり。同時に町全体として食い潰すまで牛耳ってきた昭和からの政治は時代劇での悪代官と庄屋の関係を彷彿させる。

 よく見てきたワンマン経営社長や家族経営にありがちなのが学校を卒業した子をそのまま入社させ早期に取締役にし数年で社長にまでしてしまうことである。大昔から現代までの支配階級にもよく見られるわけだが、似たのを何社も見てきて時代遅れという言葉が似合ってる。人間の子は動物と違って個体差が激しい...

 主観であるが、そういうところの社外取締役なんてだいたい飾り物で駄目な部分を知ったとしても経営手法すら持ち込めない。長年働いてそれなりの地位にいる従業員も、社長の息子、娘ってだけで二十代そこそこの奴の部下という立場にされてしまうのだが、上り詰めてきた社員のほうが経験も能力も高いのに口を挟めない。

 職人にしても後を継ぐにはいったい何十年の修行をするかだが、それでも追いつけないと言ってる人が多いことか。英才教育のごとく修行で、ある程度の段階にのぼってるだけで、どこかに短い時間で軽く超えるような人が転がってる可能性があるが、気づきもせず、その仕事を選ぼうともしないであろう。競馬で何度も優勝する馬の子は絶対的に強いが成り立つのは動物だけで人間では全く成り立たない。

 勘違いしてはいけないのは年齢で否定しているわけじゃなく経営能力を疑っている。経験は年齢であることが多いが持って生まれたものは親子でも大きく違う。無駄に年齢だけ重ねた人も多い。むしろ年齢で排除すべき決定的なのは高齢者の硬い頭のほうである。


・財政悪化の話を思い出す

 現地で何人からか聞いたことがある話だったが裏取り情報を得る時間がなく長く放置されてきた経営悪化に陥る設備投資が見えてきた。現地で聞いたのは豪勢な作りの別館を建てなければ財政が悪化することはなかったと言うもの。小さい町だと誰かの真偽不明な噂話すら広まってしまうため確証が欲しかった。

  建設用地購入 → 増資 → 別館建設 → 減資

 巨額投資時期の失敗を読めなかったのも当然で計画したのはバブル経済時期、問題はバブル崩壊したが計画を見直すことなく不況真っ只中に建設してしまったことではないのか!? それが後を引いたとは考えられないのか?

 不況な時期こそ安く買える投資だとは聞いているが、客が必要としてない投資は無意味だし、内部留保が潤沢にある場合であり借金を残してまですることではない。不透明な収益で借金が増えるわけだから投資家と考えて必ずしも良い材料とは考えない。

 確実に失敗だったかは資料がないと正しくは分析できない。建設費、維持費、稼働率など見えないものだらけ。あるのは同業他社を含めた地域全体としての失策という状況証拠。


・12年間くらいの決算はわかった

 バブル経済の時期は閲覧できた資料の最も古い2005年から更に十数年も前の話だから資金源をひっくるめて何もわからない。遡って得た資料の状態で2002年には8億円を越える損失計上で債務超過、2005年に借入の残金は8億円あまりなので十数年でそこまで減ったということなのだろうか? それとも損失計上=借入金なのでしょうか?

 バブル時代の設計だから地元に経営難に陥ったと言う人がいたように別館の建設費は残金と返済額から遡って足りるような額じゃなかったと考えられる。それがいくらなのか知りたいよね。

 いまでは気配がしないのだが年間宿泊者数からすると1日あたり500人。十数年前の話だから、町として回復したと言われても現在の宿泊者数は不明。


 どいつもこいつも北越急行のようなプロ経営はできず、考えたつもりで金は使うし借りる。念のため北越急行はJR特急の通過収入によって貯め込んできた130億円かは北陸新幹線開業によって支出(赤字補填)に転じたわけだが30年は耐えると言われてる。そこまで内部留保してきただけで素晴らしいわけ。

 人間は親子の能力がまるで違うって点は強く言っておくが、正しく動いていれば家族経営が悪いとは思わない。それよりも、業績伸びて安易に上場して資金を集めのため「会社は株主のものだ」ヅラしてくる連中と関わるほうがうまく動かなくなる。テレビが広告主のほうしか見なくなったように、株主のほうしか見なくなって大企業すら転落していったように見えるからだ。資金調達が難しいところへ必要だか確証もない設備投資をしすぎたと感じた。



・投資すべきときに何もできてない 回復に転じたら借金残ってるのにまた借金!

 政治からして間違ってるのだが儲かったから使うんじゃない。景気が良いときは貯め込んで不景気になったらくい止めるため投資するのは株式売買と全く同じ理論である。バブル経済のとき東京近郊の畑の中にあったようなマンションの値段は近年の都心のタワーマンションより高かったよう、いつお金を使うかは明白だと思うのだ。時期は株式と同じ安いときに買うわけだが、あとは使い道が正しいかどうかだけ。

 カネ掴んだらとりあえず借り入れ返済なのに日本は偉そうな銀行からして阿呆だから必要な時は貸さず、貯め込むべきとき押し貸し。不況に転じたとき、押し貸しした銀行がどう手のひら返したかは既に経験してるはずだよ。貸し剥がし 忘れるのが早い。

間抜けな経営は我々が払う宿泊費とかに跳ね返ってくるわけだからな。

 この流れとして某ホテルは別館を作るのではなく建て替えのため昭和の儲けを内部留保しておくべきだったのだ。結果論で語ってるのではなく経営手法が間違ってたってこと。「古い」と「汚い」の違いもわかってない宿が多いがミニ・バブルが過ぎ去ったあとに何がやってくるかだ。

 もしかして昭和中期の内部留保があって、バブル経済真っ只中の物が高い時期に用地買収と別館建設へと大金を使い果たしてしまったのか?

 時は過ぎ、2008~2009年、どこで観光資料を見てもリーマンショックの影響が出てるようには見られないよう 客数および収益はもっと前から徐々に下がってた。東日本大震災の2011年は多めに下がっただけ。だからガクンと落ちたわけではなく順当に落ち込んできてた。

 2011年以後の外国人観光客の増加によって日本として宿泊客は増えたが某ホテルの所在地は特に外国人が好む場所ではなく日本人観光客の動きによる回復だろう。

 前から言ってるが、私でさえ流動的なのに若年層なんてもっと流動的で飽きっぽく長続きはせず、また新たな場所に短期流行が起きるなんて歴史を見ればよくわかる。リピーターを呼ぶ要素がなければ、高齢者となるが世代が変わってくる高齢者が次々と客となるかは怪しいものだ。

というわけで何億も使ってるカネがあったらダサイ看板や外観を取り替えるべきだった。



 お前(私)ごときが何を知ってるのかだが、表には出ないし言えないがいろいろ企業の記録の仕事をしてきたからね。その過程で小僧時代から知ることが多かった。固有の問題は知らなくても傾向は見えてくるものだ。

 財務資料なんか見てると思うが、いい加減に日本として廃止して欲しいのが百円とか千円という謎の単位である。役所がおっぱじめたと思うが紛らわしいとしか言いようがない。腹立つのがExcelとか入力段階で千円単位になってる。億とか兆なんかの桁じゃねーんだよ、と世の中から消し去りたい。内容には関係ないけど、そのバカな単位によって調査する上でどこか桁を間違えてる可能性があると記しておく。

 調査過程で別のことも知ることができた。ホテルM、OホテルW館(旧・Oホテル)が倒れた頃に大手資本が入ったような話は聞いたことがあるが、それは物件の話であってホテルとしての運営会社は同名他社が見当たらなかったから九州有名温泉地の会社だと思う。既に某国人系が居抜き物件を何軒も経営しているように建物が違うだけで多様性がなくなったな。


・失敗した町づくりと正しいハコモノ行政

 町づくりとしては、とんでもねぇ~間違いの西洋化に怒ってきたわけだが、今となっては取り返しがつかない失策も防ぎようはあった。古い町が残された城崎温泉じゃなく、再建された犬山城下町って例もあったからだ。犬山城が現存天守だから城下町もってのは思い込みで単なる昭和の古い住宅地になっていたのが2009年に古い様相の城下町に改装したから客が戻って小江戸川越や伊勢のおかげ横町みたいになってる。住宅街だから中には近代西洋風邸宅も含まれて完璧じゃないけど。

 私が名古屋に入り浸ってた頃の犬山は昭和の汚くなった家が並ぶって感じだったのだから、やる気になれば日本人も外国人観光客も大量に呼び寄せる観光地は作れた。大火事(?)からの再建も含め、敗戦から「西洋かぶれ」した年寄り連中の失策が原因。

 実は客を集めている城崎温泉にしろ犬山城下町にしろ、1軒だけ横道にそれたり後ろを向けばすぐに化けの皮は剥がれてしまう。なぜなら、雰囲気を作ってるのは一角だけだから。だだし、辿り着くまでが大変だが集落全体として完璧な白川郷じゃなく単なる「張りぼて」でもそれなりに集客能力はあったのです。

 京都、奈良、鎌倉と何も外国人だけで溢れかえっているわけではない。それがわかれば、たかだか20~40年前の自分らが生まれた前後の時代を懐かしむには限界がある。何百年前にならなくても百年前の街並みとは観光資源に差がありすぎる。

 妄想劇場ではあるが、もし西欧風のバカな海岸にせず、近代的な駅ビルなど勘違いだらけではなく、ほにゃらら閣やら和菓子屋みたいな建物ばっかりにしてたら日本人どころか外国人がわんさか押し寄せてきて、忙しすぎたり迷惑ごとが増えても半ば嬉しい悲鳴を上げていたこと間違いなしなのだ。

 アホか?と本格的に調査しだした9年前から同じ結論なのだが近代化の方向へ加速させてきたわりには廃墟だらけである。5千万から3億のバブルの塔も売れ残るさけさ。

ホテル経営ではない外的要因にも問題がある。



・市場調査なんてまるでできてない/立場の違いから客のことがわかってない コンビニの例

 商店に例え、品揃えの悪い駄目なコンビニが徒歩1分、品揃えの良いコンビニが徒歩3分だとしても品揃えの悪いコンビニに行く回数はゼロにはならない。それは近いからだけの妥協であって満足度は低いのだが、一定の商品によって救われているだけなのである。そこに気づけないから客が来てると思って経営者は何も知ることがない。

 大手コンビニが頭を使って考えた商品に「おんぶに抱っこ」してるだけで経営能力があるからではない。それと同じような材料が「温泉」なのである。だから、さらに田舎の無能な経営者は温泉に すがりつかないと生きてゆけない。それで「写真撮ったら魂が抜かれる」かのよう温泉に影響がありそうな事業に狂気的に反対してくる。湯治でも住むでもなくド短期的な外的要因でしかない温泉に過剰なほどの効力を国民全体に洗脳してきた末路でもある。同時にその結果、精神的効果は絶大だ。

 徒歩3分だったのが1分な所に品揃えの良いコンビニが開店して客が来なくなり初めて気づくのだが、もし商品が同じコンビニではない個人商店であると自分が提供しているものが大手と何が違うのかさえ気づかず、スーパーマーケットができたのが悪いとか他人のせいにして騒ぐのである。客からしてみれば、いらないものを高く売ってるのだから欲しいわけがない。飲食店に例えると、東京にいくらでもある程度で土地代の高い東京よりも割高に提供して「どうだ、うまいだろ」って自慢してくる。事実に反して北海道ブランドが過度に評価されてきたが、思い込みの集客能力が大きいことを否定しないが、それは客が気づいたときに終わる。

 市場調査ができてない経営者が知ることができるのは、客から間接的に聞いたことだけであり、本質的に客のことなんてわかっちゃいない。当たり前でもあり、そこが大間抜けでもあるが、経営者であって客をやろうとしないから知るはずがない。元・旅人から転身して大成した旅行関係の有名企業があるが、会社が大きくなろうとも私から見れば「終わった」と思えたのは「金儲けの経営者の顔」に変貌して旅人であったことをすっかり忘れてしまったからである。
子が親になったら子の気持ちなんて、まるで感じなくなるのと同じかもしれん。



 短期的にはいいが、今の客がいなくなったとき次の集客能力があるとは感じられない。地域全体の特徴でもあるが、何事にも後手後手すぎ、短いサイクルで変わる時代に乗れない。

 余計な話も含めて長くなったが、もしもの話で配当目的な長期投資先には向かないと判断した。失策を探すのが趣味でもあったわけだから投資の可能性は数年前に終わっており、これからはまた落ち込んでゆく予測を立ててるからだ。10年前が買い、今が売りの瀬戸際。

以上、実態調査からの株式投資の脳内シミュレーション。
| emisaki | 2018-03-03 Sat 22:40 | 旅・散策と行事::考察・批評 |
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